投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第11回こまちリウマチセミナー (大屋敬太)

吹雪と共に冬が来訪する中で、2021年12月2日に第11回こまちリウマチセミナーがオンライン開催されました。

オンラインのため当直先の社宅から参加でき、専門医ではない大学院生の私にとっても大変勉強になる内容でした。

一般演題は大曲厚生医療センターの岩本陽輔先生から「アバタセプトの使用成績~AORA registryから~」の演題でご発表いただきました。DMARDsの経験が少ない筆者ですが、その他のbDMARDsとは一線を画すアバタセプトについてとても勉強になりました。間質性肺炎合併RAへの使い勝手の良さがわかったので、間質性肺炎になっている高齢RAの初療にに対して検討してみたく思いました。

続いて能代厚生医療センターの伊藤博紀先生からは「リウマチ手指変形に対する治療アプローチ」にてついてご発表いただきました。尺側偏位の原因の一つが、屈筋腱や伸筋腱の外方化や拘縮によるという、今まで知る由もなかったことが分かり、一気に知識が深まった気がします。

特別講演は、北海道内科リウマチ科病院最高顧問の小池隆夫先生のご講演「関節リウマチの治療:20年のあゆみと今後の展望」で締めくくられました。

治療内容の変遷や、DAS28やACR/EULAR2010への疑問提示といった、普段RAの治療経験が少ない若手にこそ勉強になる内容だけでなく、関節エコーを駆使した小池隆夫先生流のフォローアップの方法や、JAK阻害薬の添付文書の改訂、生検・病理を用いた未来のRA診療など、AORAグループの先生方にとっても最新の知見が得られた講演内容でした。T2Tの考え方の下、適切なタイミングで、エコーやbDMARDsなど今使えるものをフルに用いて、患者さんの訴えに沿った診療をしていきたいと思います。

素晴らしいご講演をいただいた小池隆夫先生、本日の運営に携わった先生方、誠にありがとうございました。

第83回JABO研修会(野坂光司)

第83回JABO(Japanese Association for Biological Osteosynthesis)研修会が,オンライン開催されました.テーマは創外固定法で,講師として参加しました.代表世話人は,当講座から多くの先生が国内留学でお世話になった,獨協医科大学埼玉医療センター 整形外科 救命センター 講師 杉本一郎先生でした.全国から300人以上の参加者が集い,それぞれの分野のエキスパートの講演後,活発な議論が繰り広げられました.私は足関節周囲骨折に対する創外固定のコツとピットフォールについて講演しました.今後の超高齢化社会において,リング型創外固定でなければできない治療は多数出てくることが,多くの講演で述べられていました.また秋田大学整形外科はリング型創外固定が豊富にあり,前組からボルトナットの設置など,術前トレーニングがし放題で,恵まれた環境にあることは特筆すべき長所と思います.秋田大学および関連病院からも多くの先生が参加されておりました.今後も創外固定の分野でしっかり頑張っていきたいと感じた1日でした.

第74回秋田県整形外科医会(笠間史仁)

2021年10月30日、第74回秋田県整形外科医会がZOOMでオンライン開催されました。

 

今回は一般演題5題、Young Doctors Session10題の発表がありました。特にYoung Doctors Sessionでは、活発なディスカッションが行われ、非常に充実したセッションとなりました。最優秀演題賞は「尺骨神経脱臼に上腕三頭筋内側頭の弾発を伴った1例」を発表された秋田労災病院の齋藤光が受賞されました。本当におめでとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教育研修講演1には、群馬大学医学系研究科整形外科学教授の筑田博隆先生から、「多施設ランダム化比較試験からみた非骨傷性頚髄損傷の治療戦略」についてご講演いただきました。OSCIS試験の背景から実際の道のり・裏側までご講演いただき、非常に感銘を受けました。日本国内から世界へ高いエビデンスを発出したことに感激し、私もいずれそのようなスタディに関われたらと感じました。

 

教育研修講演2には、川崎医科大学 骨・関節整形外科学教授の三谷茂先生から、「先天股脱の50年の経過から-変形性股関節症の関節温存手術と保存療法を考える-」についてご講演いただきました。豊富な症例と、超長期観察症例の数々をお示しいただき、クイズ形式のご講演であったため非常に楽しく聴講させていただきました(筆者は3割程度しか正解できませんでした)。先天股脱の治療変遷も垣間見ることができ、非常に勉強になりました。

 

本研究会で勉強させていただいたことをしっかりと吸収し、明日からの臨床・研究に努めていきたいと思います。

第10回秋田県股関節研究会(五十嵐駿)

令和3年10月9日(土曜日)に第10回秋田県股関節研究会がオンラインで開催されました。

まず、一般演題では、

三浦隆徳先生(市立角館総合病院)には、CroweⅢ股関節症の高度屈曲拘縮例に対するS-ROMステムの使用経験について、

河原木剛先生(秋田厚生医療センター)には治療に難渋した透析患者の脆弱性骨折について、

岩本陽輔先生(大曲厚生医療センター)には大腿骨頸部骨折症例におけるcorail stemのstem周囲骨密度の推移について、

藤井昌先生(市立秋田総合病院)には大腿骨近位部骨折の骨折形態と骨強度パラメーターとの関連について発表していただきました。

質疑応答も活発に行われ、どの発表も今後の診療に役立つとても興味深い内容となっておりました。

 

特別公演Ⅰではではまず、平鹿総合病院の佐々木研先生に「股関節と脊柱骨盤矢状面アライメント」についてレクチャー頂きました。近年注目されているHip-spine syndrome、脊椎疾患と股関節疾患の関係性についてわかりやすく説明して頂きました。

続いて、秋田労災病院の加茂啓治先生に「高齢者に対する人工股関節置換術」についてレクチャーを頂きました。高齢化が特に進んでいる秋田県において大変重要な内容を発表して頂きました。

 

特別講演Ⅱでは、宮崎大学医学部整形外科学教室教授の帖佐悦男先生から「股関節学-critical thinking-」と題して、先生のこれまでの経験から導かれた整形外科医としての教訓を始め、寛骨臼形成不全やHip-spine syndrome、骨盤骨折等に関して多くの知見をご講義いただきました。画像所見の適切な評価や厳密な手術適応の検討の重要性など若手にとっても習得が必須な内容を大変分かりやすく解説して頂き、非常に感銘を受けました。

 

第10回の秋田県股関節研究会も大変有意義な研究会となりました。

今回学ばせていただいたことを今後の臨床、研究に活かして、また明日から一人でも多くの患者様に満足していただける医療を行えるように努めたいと思います。

野坂光司講師インタビュー(医学知見探求サービス Quotomy 第1話)

野坂光司講師のインタビューが、医学知見探求サービス Quotomyに掲載されました。

3話構成の第1話です。ぜひご一読ください。

(記事を読むためにはログイン登録が必要になります。

医師限定ですので、医籍番号・番号取得年月日をご準備ください。)

https://quotomy.com/originals/interviews/18

第7回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会 (原田俊太郎)

秋田の短い夏が足早に過ぎて行こうとしている2021年8月29日に「第7回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会」がオンライン開催されました。

 

シンポジウムでは三浦隆徳先生から「当院での人工膝関節周囲骨折の経験」、赤川学先生から「CT-free robotic assisted TKA(NAVIO)」、杉村祐介先生から「化膿性肩関節炎を発症した関節リウマチの1例」、嘉川貴之先生から「当科にて試行したARCR 77例の経過について」、岡本憲人先生から「脳性麻痺児の膝蓋骨高位に対し脛骨結節前進移動術を行なった1例」を御講演いただきました。どの先生方の発表も大変興味深く拝聴させていただきました。

 

ミニレクチャーでは秋田労災病院関展寿先生から「スポーツ選手を惹きつける診療のポイント」をご講演いただきました。我々若手整形外科医が日常診療で不安に感じていたスポーツ選手の治療について具体的に大変わかりやすくご発表いただきました。関先生はご自身がスポーツ選手だったこともあり、選手に親身に診療されておりもし私が学生だったら関先生に診ていただきたいと強く感じました。私も「来た時よりも美しく」を目標に今後の診療に努めてまいりたいと思います。

 

特別公演の1題目は長崎大学医学部整形外科学教室病院准教授、米倉暁彦先生から「膝周囲骨切り術の新たな治療戦略」を御講演いただきました。我々若手整形外科医がまだ接する機会が少なく、知識として不十分であった骨切り術に関して各術式の適応や注意点を大変わかりやすくご教示いただき、骨切り術がより身近なものに感じられるようになりました。

 

特別公演2題目は滋賀医科大学整形外科学講座教授、今井晋二先生より「肩関節脱臼後障害と鏡視下ラタルジェ手術」を御講演いただきました。動画を交えての骨欠損を伴う症例の系統的な治療プロトコールは大変わかりやすく、明日の診療から役立つ知識ばかりでした。また新デバイスであるsasumata guideを用いた手術は大変興味深く、完成し我々も使用できる機会を心待ちにしております。

 

講演後はフロアからも質問が殺到し、大変な盛り上がりを見せておりました。私自身も多くのことを学ばせていただき、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。今回学んだ内容を今後の診療、研究に役立て行きたいと思います。

島田洋一名誉教授インタビュー(医学知見探求サービス Quotomy 第1話)

島田洋一名誉教授のインタビューが、医学知見探求サービス Quotomyに掲載されました。

3話構成の第1話です。ぜひご一読ください。

(記事を読むためにはログイン登録が必要になります。

医師限定ですので、医籍番号・番号取得年月日をご準備ください。)

https://quotomy.com/originals/interviews/16

関節機能改善トピックスセミナー in AKITA(村田昇平)

7月となり,今年もいよいよ夏本番の足音が聞こえる時期となって参りました.スポーツを行うに気持ちの良い季節となり,今年は東京オリンピックも開催予定であります.そんな運動シーズンにぴったりな「関節機能改善トピックスセミナー in AKITA」が令和3年7月1日にオンライン開催されました.

一般演題では宮腰尚久准教授の座長のものと,秋田大学,齊藤英知先生より「前十字靭帯不全による2次性変形性膝関節症に対するアプローチ」と題してご講演いただきました.先生の非常に豊富な経験から導き出された,ACL不全の膝OAに対する骨切り術の治療戦略,実際に手術を行う上でのテクニカルなポイントをご教示いただきました.膝関節手術において,関節温存,関節機能改善の観点から,近年,骨切り術への関心が年々高まってきております.実際の臨床の場では手術適応などの決定に難渋することも多いですが,齊藤先生の明瞭なお話は,膝治療に携わるものとして,とても勉強になりました.

特別講演では秋田県立療育機構理事長,島田洋一先生の座長にて,愛知医科大学整形外科学講座教授,出家正隆先生より「変形性関節症治療の話題」と題してご講演を賜りました.出家先生のご講演では,運動療法,PRP療法,ヒアルロン酸の関節注射,装具療法,TKA手術の適応など,保存治療から手術治療まで,「膝関節機能改善」に関するありとあらゆる話題をご教示いただきました.どの話題も素晴らしかったですが,私は,秋田ではまだあまり馴染みのないPRP療法の実際や,装具療法による半月板移動量の変化に関する研究について,特に興味深く拝聴させていただきました.公演後はフロアからも質問が殺到し,非常に盛り上がっておりました.関節機能改善のために,明日からの診療,研究に実践できるお話をたくさんしていただき,大変感銘を受けました.

膝関節機能低下により痛みなどのトラブルを抱えた症例は,整形外科の臨床の場では日々遭遇します.「関節機能改善トピックスセミナー in AKITA」では,関節機能を回復させるための多くのことを教えていただきました.今回,学んだ内容を活かして,今後の診療,研究に邁進していきたいと思います.

第50回日本脊椎脊髄病学会学術集会で島田洋一名誉教授が歴代会長講演を行いました

2021年4月22日〜24日、国立京都国際会館で第50回日本脊椎脊髄病学会学術集会が大阪医科薬科大学根尾昌志会長のもと開催されました。

厳しい社会情勢ですが、現地とオンラインのハイブリッドの開催となりました。

 

今回は第50回記念ということもあり、

テーマは「レジェンドを知る、レジェンドを創る」です。

島田洋一名誉教授がレジェンドのお一人として、「歴代会長講演 バトンをつなぐ:麻痺とリハビリテーション」でご講演(オンライン)されました。

 

「脊髄再生医療に向けたリハビリテーション先端機器の開発と臨床応用」と題してのご講演で、札幌医科大学の押切勉先生にそのバトンがつながれました。

 

秋田大学整形外科では札幌医科大学で開発された再生医療等製品「ステミラック注」を投与した後のリハビリテーションとして、リハビリテーションロボットの開発を行っております。

現実の治療となった再生医療が、よりよい効果を出せるリハビリテーションの構築を目指し、そのバトンを私共も繋ぎ続けてまいります。