セミナーレポート」カテゴリーアーカイブ

第7回秋田県足の外科・創外固定研究会(高橋靖博)

平成28年12月3日秋田ビューホテルにて第7回秋田県足の外科・創外固定研究会が開催されました。

一般演題では、村田先生・柴田先生・佐藤先生・河野先生・阿部先生・千田先生・高橋が発表しました。イリザロフで手術した症例、エコーガイド下ブロック、足部RA疾患、アキレス腱断裂といった、難渋した外傷・変性疾患・稀な疾患など様々な症例を報告して頂きました。私は現在勤務している秋田医療療育センターの症例をまとめ「最近3年間の乳幼児期における足部変形の経験」という演題で発表してきました。幸いなことに私が最優秀演題賞を受賞しました。発表のご指導していただいた坂本センター長をはじめ、三澤先生・石原先生・遠藤先生にはこの場を借りて御礼を申し上げます。

ミニレクチャーでは平鹿総合病院の千田先生が足部・足関節の鏡視下手術について講演していただきました。特にAnterocentral portalの有用性を中心に発表していただきました。これまで足関節鏡の手術を経験することが少なかったので、今回得た知識を今後の手術に生かしていきたいと思いました。

特別講演1では関東労災病院の整形外科部長である岡崎裕司先生が「イリザロフ法の合併症と感染対策」というタイトルで御講演していただきました。イリザロフの歴史から始まり、Pin site infectionなどといった様々な内容を1時間という限られた時間の中で発表してくださいました。秋田大学整形外科ではイリザロフ手術を多数施行しており、私たちは入院・外来でイリザロフ手術を施行された患者さんを診療する機会が多いので、本当に明日からの診療に役立つ内容でした。

特別講演2では奈良県総合医療センターの佐本憲宏先生が「足関節・足部のスポーツ障害と外傷」というタイトルで御講演していただきました。スポーツ障害患者に対する靭帯再建や関節鏡など、足の外科のメッカである奈良県で行われている最先端の治療を紹介していただきました。

本研究会では4時間で7題の一般演題、ミニレクチャー、2題の特別講演と非常に濃密で多岐にわたり、かつ刺激的で勉強になる有意義な学会となりました。明日からの診療に生かしていきたいと思います。

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第6回こまちリウマチセミナー(湯浅悠介)

平成28年12月8日に第6回こまちリウマチセミナーが開催されました。平日にも関わらず、多数のご参加をいただきました。

今回は特別講演ⅠとⅡに分かれ、4人の先生方にご講演いただきました。特別講演Ⅰの一人目は市立秋田総合病院整形外科科長の柏倉剛先生から「RAにおける手術療法の進歩」と題してご講演いただきました。RAは治療薬剤だけでなく手術療法も、日々進歩していることを実感いたしました。いかに早期にRAを診断・治療し、手術もよりよい機能を獲得できる方法を選択することが大切であると感じました。

そして、二人目として秋田大学大学院整形外科学講座の宮腰尚久准教授から「RAにおける骨粗鬆症治療のアップデート」と題してご講演いただきました。滑膜炎や不動、ステロイドの使用などにより骨粗鬆症が進むRAにとって、骨粗鬆症治療は欠かせません。今回、ステロイド性骨粗鬆症の恐ろしさを再確認し、今後は患者さんに骨粗鬆症治療の重要性をより一層伝えていかなければと思いました。また、抗RANKL抗体がRAに対して極めて大切な役割をしていることをわかりやすく御提示いただきました。日々の臨床に生かし、治療にあたりたいと思います。

特別講演Ⅱの一人目は北海道内科リウマチ科病院、理事長・院長の谷村一秀先生から「臨床における関節エコー検査の重要性」と題してご講演いただきました。現在、RAを診断する上でも病勢を評価する上でも、エコーは必須のツールといえます。RAの滑膜炎と他の関節周囲炎とのエコーでの鑑別方法を実際の映像をご提示いただきながら、とても分かりやすく説明いただきました。また、「エコー寛解」という概念を教えていただき、我々も同じゴールを目指して治療していこうと決意を新たに致しました。

そして特別講演Ⅱの二人目としてNTT東日本札幌病院院長の小池隆夫先生から「バイオとその後」と題してご講演いただきました。RA治療薬の歴史から始まり、バイオシミラーまで多くの内容を非常にわかりやすくご提示いただきました。また、日本の医療だからできるtight controlがRA治療に大切であり、我々はそのことをもっと自覚しなければならないと感じました。

最新の知識を多く吸収することができ、非常に有意義な会となりました。今回学んだことを明日からの診療に役立て、RAで苦しむ患者さんを一人でも減らせるように努めていきたいと思います。

第64回秋田県整形外科医会(飯田純平)

去る10月22日,第64回秋田県整形外科医会が開催されました。

一般演題では今村記念クリニックの田村康樹先生が大腿骨近位部骨折の現状について、Young Doctors Sessionでは秋田赤十字病院の佐藤千晶先生がRh不適合緊急輸血により救命しえた重症外傷の1例についてそれぞれ発表され、優秀演題賞を受賞されました。

 

特別講演では、久留米大学医学部整形外科学講座 白濱正博教授には脆弱性骨盤骨折の診断と治療についてわかりやすくご講演いただきました。

秋田県は高齢化率が非常に高く、軽微な受傷起点による脆弱性骨盤骨折を受傷される患者さんが非常に多いということもあり参加者一同興味深くご拝聴させていただきました。白濱先生は他県で開催された骨折治療学会や骨盤輪・寛骨臼骨折研究会でお目にかかる機会が多々ありましたので、今回秋田県までご足労いただきご講演を聞けたことを大変うれしく思います。

大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学講座 中村博亮先生には「腰痛・下肢痛を生じる脊椎疾患の診断とピットフォール」と題し、腰部脊柱管狭窄症の最新のガイドラインや日常診療で遭遇する脊椎転移症例などについて、その見極めや治療方針、画像所見も含め総合的にご講演いただきました。

今回の特別講演で得た知識は高尚かつ、今後の診療にすぐ役立てることができるような素晴らしいものでした。

 

また、最後になりますが一般演題で優秀演題賞を受賞されました田村先生、Young Doctors Sessionで優秀演題昌を受賞されました佐藤千晶先生、大変おめでとうございます。

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第12回 秋田県運動器疾患セミナー (粕川雄司)

9月8日木曜日 秋田キャッスルホテルで第12回秋田県運動器セミナーが開催されました。台風の影響で雨が降る悪天候でしたが、とても多くの方々にご参加いただきました。

はじめに秋田赤十字病院 人工関節センター長の田澤 浩先生から「人工股関節置換術前の股関節可動域が術後満足度・術後機能に及ぶす影響」と題したミニレクチャーを頂きました。ご自身の10年以上の人工関節手術の変遷についてお話しいただき、さらに人工股関節置換術の術後満足度と機能をSF-36などで評価した結果をご講演いただきました。運動器疾患の治療では、患者さんの満足度と機能に乖離が出ることがあり、その対策や治療が重要となることを改めて認識しました。また、田澤先生の毎年のSF-36の変化も楽しみにしたいと思いました。

続いて、福岡大学医学部 整形外科 教授 山本卓明先生より「股・膝関節疾患における新知見-軟骨下脆弱性骨折の観点から-」と題した特別講演を頂きました。軟骨下脆弱性骨折の診断がなされた経過や高齢者と若年者の画像所見と手術所見は大変勉強になりました。また、両側性であれば骨壊死、一方MRIにおいて中枢に凸で蛇行・途絶する低輝度バンドで造影される場合は軟骨下脆弱性で骨壊死と鑑別することや、軟骨下脆弱性骨折と骨壊死や他の鑑別疾患について詳細にレクチャーいただき、日々の診療にとってとても有意義なご講演しでした。遠路はるばる秋田にお越しいただきご講演いただきました山本卓明教授、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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第8回秋田県骨代謝エビデンスセミナー    木村竜太

8月25日、第8回秋田県骨代謝エビデンスセミナーが行われました。

まず教育講演として、秋田大学本郷道生講師より「骨粗鬆症性脊椎障害に対する運動療法」をお話しいただきました。骨粗鬆症に対しては薬物療法が第一選択となりますが、運動療法のエビデンスも増えてきており、RCTのメタアナリシスでも骨密度に対して有効であることがわかってきました。それを踏まえ、メイヨークリニックご留学時から取り組まれている背筋運動を中心に実際の効果をご説明いただきました。運動療法は様々な疾病に対する予防、治療効果も近年明らかになってきていることから、ぜひ骨粗鬆所診療にも活用していきたいです。

 

 

特別講演は東京大学医学部附属病院22世紀医療センター関節疾患総合研究講座特任准教授の吉村典子先生から「ロコモとフレイル:ROADスタディからみた要介護原因疾患の疫学」と題してお話しいただきました。運動器のコホートとして最大級のスタディですが、その結果から導き出された変形性関節症の年齢ごとの有病率や、発症のリスク因子などは、日常診療で感じていることに裏付けをいただくことができました。また、一般住民の方を対象としたコホートスタディを行うには、行政を含めた地域の方との協力が重要になるということで(一人でも力強いサポートをしていただける地元の方がいると、一気に研究が進むこともあるそうです)、ぜひ秋田ならでは、地域密着型の研究を行えるようにしたいと思います。

 

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秋田県腰痛セミナー2016  (尾野 祐一)

平成28年8月18日にホテルメトロポリタン秋田で「秋田県腰痛セミナー2016」が開催されました。

一般演題①では秋田大学整形外科の木村竜太先生から「腰椎短椎間固定術と除圧術におけるADL・QOLの比較」について講演していただきました。固定術群と除圧術群の群間にADL・QOLに差がないという結果から、短椎間の固定術を行ってもADL・QOLは損なわれない可能性が示唆され、手術時の説明に非常に有用なデータを提示していただきました。

一般演題②では秋田赤十字病院整形外科の石河紀之先生から「看護大学における骨粗鬆症の授業」について講演していただきました。併設する看護大学で、看護学生に対して行っている整形外科の授業内容、使用している教科書や整形外科分野の国家試験問題の紹介をしていただき、病棟や外来、手術室で一緒に働くことの多い看護師がどういった知識を持っているのかを知る良い機会となりました。

特別講演は和歌山県立医科大学医学部整形外科准教授の山田宏先生から「腰椎疾患の疫学‐The Wakayama Spine Study‐」について講演していただきました。和歌山県立医大で行っている約1000人を対象とした縦断研究の結果を紹介していただき、腰椎変性すべり症の進行・発生の危険因子や、腰部脊柱管狭窄症の症候性・放射線学的有病率、椎間板変性・終板変化・シュモール結節と腰痛の関係など、どれも日常診療に直結する大変有用な内容でした。その中でも、MRIで調べた硬膜間面積と腰痛に関連をみとめ、除圧術・内視鏡手術のみで腰痛が改善する可能性があるというデータは非常に興味深く、ご講演が終わった後も、質疑応答で議論が白熱していました。除圧術か固定術か、その適応について学会でも議論がつきないテーマですが、本セミナーで得た知識も参考に、今後の診療に活かしていければと思います。

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第9回秋田脊椎脊髄病セミナーブログ(飯田純平)

去る平成28年6月2日,ホテルメトロポリタン秋田で,第9回秋田脊椎脊髄病セミナーが開催されました.

 

セミナーでは大学院の尾野祐一先生が,脊椎ドックにおける頸椎・腰椎X線所見についてご講演いただき,秋田厚生医療センターの菊池一馬先生が成人脊柱変形におけるLLIFについてわかりやすくご講演してくださいました.

 

特別講演では京都大学大学院医学研究科 運動器機能再建学講座特定教授 藤林俊介先生にご講演をいただきました.

先生にとり初めての来秋ということですが,初めて飼った犬が「秋田犬」,ご祖母が「秋田美人」,最も多く口に出した県名「アキタ(秋田県で開発した整形外科の手術器具)」ということで,ご縁を持つことができて大変うれしく思いました.

 

講演ではTLIFからLLIFやOLIFに至る歴史から,脊椎固定術後の経過におけるNegative/Positive Cyst Signなどにつき大変わかりやすく教えていただきました.また,いままでに計1万本のPedicle Screwを刺入されたという見事な手術手技,合併症やその対策といった実臨床のお話から,基礎研究の範疇でもある3Dプリンターを用いたオーダーメイドの椎体間スペーサーの開発・作成に至るまでご講演いただきました.

また,先生ご自身も自らが開発されたBioactive Ti Deviceを用いてTLIFを受けたということでした.ユーモア溢れるお話も交えながら,大変勉強になるご講演でありました.

藤林先生の今後のさらなるご発展をお祈りしております.このたびは本当にありがとうございました.また,ぜひ秋田にいらしてください

第8回秋田県小児整形外科研究会(岩本陽輔)

6/4 にぎわい交流館AUにて第8回秋田県小児整形外科研究会が行われました。

当日はAUの外では秋田の食と文化の祭典が行われており、太鼓や笛の音が鳴り響く中、祭りの熱感に負けず劣らずの討論が行われました。

一般演題は鈴木先生、瀬川先生、村田先生、阿部先生、柴田先生、伊藤先生の発表がありました。

最優秀演題賞は市立角館総合病院の村田先生が受賞されました。

小講義では秋田医療療育センターの三澤晶子先生より側弯症検診についての流れや側弯症の基本的な診察のポイントなどを講義していただきました。

市立秋田総合病院の柏倉剛先生より今年から行われるようになった秋田県における七項目の運動器検診の流れやフォローの方法などについてご講義いただきました。

また、特別講演では国立成育医療研究センターの高山真一郎先生より「先天異常手における母指の再建」について代表的な疾患を母指のポジショニングや機能面から再建のポイントや手術法などをご教授いただきました。

第2回出羽・阿賀リウマチフォーラム (河野哲也)

2016年5月28日、秋田ビューホテルにて第2回出羽・阿賀リウマチフォーラムが開催されました。このセミナーは、昨年は新潟県で開催され、今年は秋田県での開催でした。

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じる病気です。炎症が強いと、関節の痛み・変形が生じ、日常生活に大きな支障をきたします。そのため、治療の第一目標は身体機能や社会活動を正確に保ち、長期にわたる生活の質を最大限にすることとされており、医師だけではなく多職種の連携が不可欠な疾患の一つです。一般演題では看護師、薬剤師、理学療法士、検査技師の先生からご講演をいただきました。多職種からの見解を知ることができるとても有意義なセッションでした。

教育講演では市立秋田総合病院の柏倉剛先生より「関節エコーを用いた足部滑膜炎評価」についてご講演を賜りました。足部はリウマチの疾患活動性評価(DAS28)には含まれておりませんが、腫脹・圧痛がなくてもPD陽性となり、関節変形を起こす可能性がある関節があることを知り、エコーは疾患活動性の評価や治療薬の選択に必要不可欠な手技であると実感しました。

また、特別講演では新潟県立リウマチセンター副院長石川肇先生より「QOLを高めるリウマチ治療とケア」についてご講演を賜りました。新潟県立リウマチセンターの歴史から、外来・入院診療、患者さんへの情報提供方法など、関節リウマチに対する充実した多職種間の連携・患者さんへの手厚いサポート体制に驚きました、

本会で学んだことを今後の日常診療に活かしていきたいと思います。

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第11回Orthopaedic Trauma Course、Orthopaedic Trauma Institute in San Francisco General Hospital見学 (水谷 嵩)

島田洋一教授のご高配により、2016年4月28日〜30日にサンフランシスコで開催されたOrthopaedic Trauma Courseに参加してきました。参加メンバーは河野哲也先生、鈴木真純先生、益谷法光先生、水谷の4人で、初の同期だけでの海外出張となりました。

 

学会前日は、島田教授のご学友で、現在はOrthopaedic Trauma Institute in San Francisco General Hospitalでご活躍されている長尾正人先生に同院を案内していただきました。市立病院ということで要請のあった急患を受け入れる病院で、数年前の航空機事故では60名ほどの救急患者さんを一度に受け入れたこともある程のキャパシティを持つそうです。米国では個人で入っている保険が異なるため、民間施設では入っている保険によって受診できない場合もありますが、同院では保険に加入していなくても基本的に全ての市民が受診できるそうです。そのため、受診料や外来予約時間など市立病院ならではの問題も抱えているようです。救急初療室や手術室、外来診療室を見学しながら米国での診療事情などを詳しく教えていただき、大変興味深い病院見学になりました。

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Orthopaedic Trauma Courseはサンフランシスコのインターコンチネンタルホテルで行われました。米国で開催される骨折治療関連の学会では最大規模で、今回は世界100カ国以上の国から参加者がいたそうです。内容は骨折治療の内容がほとんどで、海外ではどのような治療をしているか、骨折治療について今どのようなことが議論されているかを学ぶことができました。手術で使用される器械も差があり、米国では医療費の関係で、高価なチタンより安価で丈夫なステンレスの器械が日本より多く使用されているようです。Oral sessionの合間にwork shopで模擬骨を使用した手術手技の練習も経験することができました。海外の先生方と意見を交わしながら(ほとんど教えてもらいながらでしたが)手術の練習をするのは日本では味わうことのない経験でした。

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一般口演では日本ではあまり見ない治療の発表もいろいろと聞くことができましたが、特に印象が強かったのは、骨癒合に難渋した橈骨遠位端骨折のstudyで、時には規格外のアイディアも必要だという思いを込めた “Think out of the box.”という言葉で締めた発表でした。基本が大事なのはもちろんですが、時には柔軟に対応する能力も身につけられるよう今回の経験を生かしていきたいと思います。