投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第43回日本骨形態計測学会(大屋敬太)

2023/6/29から7/1まで札幌で第43回日本骨形態計測学会が開催され、当教室からは宮腰教授と本郷教授、大学院生の私、岡本先生、富永先生、渡辺先生が参加いたしました。

このうち、富永先生と渡辺先生は初日のハンズオンから参加し、骨形態計測の基礎や、標本作成の仕方や評価方法など、研究に必須の知識を濃厚に学び、非常に実りある一日になったとのことです。2日目の午前のシンポジウムでは本郷教授が「脊柱の骨格形態計測-痛みやQOL低下を引き起こす姿勢異常と治療-」のご講演をなされ、その雄姿を富永先生と学先生が見届けてくれました。

午後の発表に合わせて現地入りした岡本先生と私と宮腰教授は、事前に打ち合わせていないものの飛行機の座席が密集しており、機内ですらも秋田の団結力を発揮しておりました。

会場の北海道大学は、構内の移動に自転車を要すると言われるほど広大な敷地を有しており、その巨大さにただただ圧倒されました。演題登録後に時間が余ったため、皆で現地のスープカレーを嗜みました。おもてなしを感じるそのボリュームで、その後しばらく空腹感を感じることはありませんでした。

岡本先生と私は一般演題で、それぞれ「アデニン誘発慢性腎臓病モデルラットにおける骨格筋萎縮の特徴」、「新しい腎癌局所骨転移モデルの作成」の題で講演をしました。岡本先生の発表では、話し終えるや否やその道の著名な先生方が殺到して岡本先生を質問漬けにしており、会場はその穂一番の大盛り上がりとなっておりました。

その後は大役を終えた疲れを癒すべくジンギスカンを食べ、さらに翌朝は二条市場に徒歩やランニングで出向いて海鮮を嗜みました。

最終日は宮腰教授が「骨折治癒・骨癒合からみた骨形成促進薬」のテーマでご講演をされました。百戦錬磨のその講演は、他のどの演者の方よりもすんなりと耳に入り、勉強になる内容だけでなくその話し方も大変参考になりました。

私にとっては久しぶりの学会かつ、ようやく自分の研究が陽の目を浴びる機会でもあり、大変充実した研究会となりました。なお余談にはなりますが、図らずも私と岡本先生がHOKAのシューズを買ってしまったのは、逃れられぬ陸上部の性ですね。

ご参加の機会をくださった先生方に感謝を申し上げます。

第60回日本リハビリテーション医学会学術集会(佐藤貴洋)

6月29日から7月2日の期間で日本リハビリテーション医学会学術集会が博多にて開催されました。梅雨明けまっしぐらの九州ということで、みんなクールビズでの参加でした。私はAMAGですが、実は日本リハの現地参加は初めてでした。会場は医師や療法士、看護師など多職種にわたり非常に新鮮でした。

私の目的は発表はもちろんのことですが、リハビリテーションロボットの体験です。トヨタのWelwalkを体験したのですが、そのスペックの高さに圧倒されました。また、逆にAkita Trainerの今後の伸びしろにも気付くこともできました。

今度は日本リハ秋季大会にも参加予定です。そこでは、Akita Trainerの演題をもって是非Akita Trainerの名前を全国に発信したいと思います。

第65回秋田県美術展覧会 書道の部 「特賞(県教育委員会教育長賞)」を受賞して(齊藤英知)

2023年6月23日(金)から28日(水)まで秋田市のアトリオンにて第65回秋田県美術展覧会が開催されました。この展覧会は、秋田美術展として昭和初期から開催され、太平洋戦争による休止期を経て、現在まで続く歴史ある秋田の美術愛好家の作品を展覧する歴史ある会です。展示作品はすべて入選以上であります。展覧される美術は、日本画、洋画、彫刻、工芸、書道、写真、デザインの全7部門で、展示作品は、受賞作品のみとかなり展示されるには高き門と感じておりました。受賞には5種の賞があり、上から、特賞、奨励賞、入選、賛助、招待とあります。招待は読んで字の如く、本県の美術界に特に貢献した作家や特賞を3回以上受賞した中で委員会から推挙された方の展示ということになります。4月下旬に作品のお手本を長沼雅彦先生からいただき、たくさんのご指導を頂きました。なかなか不出来な生徒で、大変なご苦労をおかけいたしました。この場をお借りして深謝申し上げます。5月2日付の魁新聞では審査員からのメッセージとして中村伸夫先生からのメッセージが掲載されました。以下、抜粋「書は文字の表現にかかわる芸術ですが、表現方法はさまざまであり、作者の工夫次第で、いろいろな作品を生み出すことができます。ただし、どのような表現であれ、書としての技術を無視することはできません。(中略)自分も作品に評価されるつもりで審査に臨みます。」メッセージを読んで真剣に取り組みました。時間が限られるので少しだけ早起きして練習し、出来が悪い生徒でしたので長沼先生に直接、筆法書法のご指導を直接頂きながら、作品を完成させました。6月17日に裏打ち(作品の裏に糊のついた厚紙をはって皺を伸ばす)作業も無事終わり、6月18日に搬入となりました。審査は6月19日で、せっかくがんばって2か月書いたので、せめて展示されればいいと願っておりましたところ(入選しないと展示されません)、当初、6月20日の紙面で発表ということでしたので、完全に油断しておりましたが、6月19日の昼時に魁新報の文化部の担当の方から電話をもらい、特賞(最優秀賞)を知りました。まさに晴天の霹靂で、脳天まで震撼が走りました。6月20日の朝刊には審査員の中村伸夫先生より評が掲載されておりました。

魁新報より抜粋「心をつかむ強さがある。豪快な隷書体であるが、柔らかい筆使いで深みを出すことに成功している。かすれが文字の形に動きと立体感を与えた。」

今回の題材は、「四体書勢の一節」でした。西晋(西暦265-316年)代では、漢代に生まれた章草(と草書もそのまま用いられ、楷行草書の実用化が進展したといわれている年代です。以下、ウィキペディアより抜粋『「四体書勢」(したいしょせい)は、西晋衛恒撰。古文・篆書・隷書(八分・行書・楷書の3書体を含む)・草書の4書体について名筆家を列挙したあとに、各書体の起源・書法・逸話などの内容を記述したもの。草書が篆書・隷書と並んで一体をなし、重要な書体としての地位を確立していることが分かる。また、曹喜邯鄲淳韋誕蔡邕の漢代の名人の書の特徴と優劣を論じている[28][38][67][70][71]


書道展示は6月23日(金)から6月28日(水)の期間、賑わい交流館AUで行われました。 他の受賞された方々は、雅号をもつ秋田県を代表する先生がたであり、展示も立派な作品に囲まれてドキドキでした(図1)。6月24日(土)の14:00からは、受賞者を一同に集めて表彰式が行われました。実際の映像です(表彰式の映像)。 授賞式に参列し、改めて本賞を受賞して、感激しました。まだまだ、ぽっと出なので、伸び代は大きいとおもって、引き続き書道の道も精進して行きたいと感じました。

図1 にぎわい交流館AUにて

整形外科では宮腰尚久教授も書道を極めた方で、教授就任後さっそく秋田大学整形外科書道部を作り、教室の方針として、スポーツ一辺倒でない文化部のある整形外科を目指し、臨床整形外科にも「書道のすすめ」をご寄稿されております。最近は、若手の入部も随分と増え、今後の活動の高まりが楽しみです。この活動が、「心を研ぎ澄まし、筆をメスに替え」人間力のある素晴らしい繊細な手術ができる若手の育成の一助になることを願っています(図2)。

図2 表彰式を終えて

第13回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)(木村竜太)

2023年6月23日、24日に仙台国際センターで、小澤浩司会長(東北医科薬科大学整形外科教授)のもと、第13回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)が開催されました。

秋田からは工藤大輔先生、笠間史仁先生、木村、そして阿部栄二先生が参加されました。

定年退職から何年も経った今も、現役で知識のアップデートに勤しんでいらっしゃる阿部先生のお姿は、心より敬服いたします。

「我々がやっていないことにどんどん挑戦しろ」と激励のお言葉を頂戴しました。

この言葉をもとにFESSやBES、all PPSなど積極的にMISTを取り入れていきたいと思います。

このMIST学会は、学会らしくない学会、という雰囲気が好きです。

今回も、笠間史夫先生(笠間史仁先生のお父様)のご講演「坐骨神経痛治療:温故知新〜HippocratesからLoveまで〜」では、教科書レベルでは聞けない歴史の流れを知ることができました。

本音を語る、として完璧にはいかなかった症例をご提示いただきながら改善点をご説明いただけるセミナーがありました。質疑応答では、「このような症例から学んだことを共有することがとても重要」というディスカッションになり、改めて「学会」という場の価値を考える機会となりました。

来年は、倉敷市での開催となります。

秋田からも多くの先生方と参加できるように精進してまいります。

第120回東北整災 野球大会(浅香康人)

6月9日~10日に行われた第120回東北整形災害外科学会において、3年ぶりに野球大会が開催されました。新型コロナウイルスの世界的な蔓延によりスポーツ活動が制限され、各学会でもスポーツ大会が中止を余儀なくされてきました。今回の野球大会開催の連絡を受け、久々に仲間たちと顔を合わせてプレーができることを心から喜びました。

村田選手がくじを引き、一回戦の相手は岩手医科大学に決定しました。

しかし初日はあいにくの大雨。試合は翌日に持ち越しとなります。グラウンドの状態が危ぶまれましたが、翌日にはプレーできるまでにコンディションは回復しました。

3年ぶりの試合に気合を入れてJA福島ビルグラウンドに集結するデーモンズメンバー。

今回のメンバーを紹介します。

監督 宮腰教授

1番 サード 杉村先生

2番 ピッチャー 大内先生

3番 センター 東条先生

4番 キャッチャー 村田先生

5番 ショート 阿部先生

6番 ライト 本郷先生

7番 レフト 関先生

8番 セカンド 千田先生

9番 ファースト 佐藤先生

控え 河野先生 木村先生 浅香

秋田の先攻で試合開始。見どころをダイジェストで書きます。相手の先発は及川先生。大内先生の後輩、盛岡一高野球部出身の強投手です。凄まじい投球に秋田打線は苦しめられます。

1回の表には満塁のピンチを迎えましたが、大内先生が冷静なピッチングで無失点に抑えました。今回のデーモンズは守備が光るシーンが多かったように思います。外野陣はフライを落とすことなく全て確実にキャッチし、ファーストの佐藤先生は長い手足を存分に活かしアウトを量産します。

2回の裏にスリーランを浴び、一気に差が開きました。諦めずに攻撃し、時折ランナーを出すも繋げることは難しく、最終6回に1点を追加されてゲームセット。結果としては0-4で敗れてしまいましたが、一つの場所に集まって声を出し合いながら一つのことをする、というコロナ禍で忘れかけていた楽しさを思い出すことができました。

野球はド素人の私でしたが、1打席だけ代打でバッターボックスに立たせていただきました。しかしバッティングセンターで80キロの球しか打ったことがない私にとって元高校球児の剛速球はあまりに速く、かすりもせず即ベンチに戻りました。我ながら外見だけは助っ人外国人さながらでしたが、完全に見掛け倒しでした。

東条先生が加わってくれたことで、秋田大学の戦力は大幅に増加しました。来年こそは勝って日整会への切符を手にしたいですね。

ご参加いただきました先生方、応援してくださった先生方に感謝申し上げます。

Arthrex Japan Cadaver Training-Foot&Ankle-(富永健太)

6月5〜6日にシンガポールで行われたArthrex Japan Cadaver Training-Foot&Ankle-に参加してまいりました。

3年ぶりの開催でしたが全国各地から10名が集まり、秋田では自分と市立秋田総合病院の柏倉先生にお声がけいただきました。Facultyとして羊ヶ丘病院の倉秀治先生、福岡大学病院の吉村一朗先生にご指導いただきました。

行きの飛行機から右下腹部に違和感を感じており、到着した日の夜には腹痛が増悪。圧痛、反跳痛あり、悪寒戦慄も認める状況となっていました。腹痛に耐えながらWeb検索をするとシンガポールの医療水準が高いこと、医療費も高いことがわかりました。持ち合わせの武器はセレコックスしかありませんでしたので内服して寝ましたが深夜に目が覚めてしまい、さすがに帰国を覚悟しました。なんとか腹痛に耐えつつ再度眠りにつき、朝になったときにはなんとか動けるレベルまで回復しておりましたのでそのままTrainingに参加することができました。

初日は鏡視下外側靭帯修復、2日目は外反母趾がテーマとして設定されていましたが基本的にはやりたいことがあれば好きにやっていいというような感じでした。鏡視下外側靭帯に関しては吉村先生ご指導の方法、佐賀の田中先生の方法など様々な方法で行うことができとても有意義な経験となりました。また普段では考えられないくらい潤沢にArthrexのデバイスを試すことができたのも貴重な機会でした。

他にも後方鏡視や距骨下関節鏡視、三角靱帯修復、腓骨筋腱鏡視、後脛骨筋腱鏡視、Plantar Plate RepairなどなどFoot&Ankle漬けの濃厚な2日間を過ごすことができました。

ランチタイムやディナーでは他大学の先生と様々なお話をさせていただけたのもとても勉強になりました。周りは十数年目の先生方ばかりで最初は知識、経験の差に不安を覚えていましたが、むしろ若いうちにこのような貴重な経験をさせていただけてよかったと思います。

虫垂炎(疑い)のせいで食事をあまり楽しめなかったのが心残りですが全体として大満足のTrainingでした。また参加できる機会があれば是非参加して秋田に知識と経験を還元できればと思います。

このような貴重な機会を提供してくださったArthrexの皆様、また快くシンガポールに送り出してくださった宮腰教授をはじめ大学の先生方にこの場をお借りして感謝申し上げます。

嵯峨聖矢君(医学科6年)が学生セッションアワード受賞&秋田赤十字病院の長岡佑樹先生がケースレポートアワード受賞 第120回東北整形災害外科学会(富永健太)

2023年6月9〜10日に第120回東北整形災害外科学会(福島県立医科大学教授 松本嘉寛会長) がコラッセふくしまで開催されました。

久しぶりの完全現地開催となり他大学の先生と直接顔を合わせて熱いディスカッションができ大盛況の会となりました。

当教室からも数多くの演題が採択され各分野で秋田大学の勢いを見せることができたのではないかと思います。

なかでも医学科6年生の嵯峨聖矢君が「コロナ禍における成長期アスリートの特徴とセルフチェックアプリケーションの開発」という演題で学生セッションアワードを、

秋田赤十字病院の長岡佑樹先生が「成人期成長ホルモン分泌不全症による偽関節の一例」でケースレポートアワードを受賞されました。長岡佑樹先生は秋田県整形外科医会に引き続き2連続受賞の快挙です。

嵯峨君は初めての学会発表、長岡先生は整形外科1年目ですが両名ともまるでベテランのような完璧な発表、完璧な質疑応答で文句なしの受賞でした。

宮腰教授をはじめ同門の先生方のご指導のおかげでこのような賞をいただくことができたと思います。この場をお借りして感謝申し上げます。

来年の東北整災でもまた多数の受賞者を輩出できるように精進してまいります。

今後ともご指導よろしくお願いいたします。

第16回秋田県手外科研究会(佐藤貴洋)

2023年6月3日秋田温泉さとみにて第16回秋田県手外科研究会がハイブリッド形式で開催されました.昨年は大学医局で本部のPC操作を行ってのオンライン参加でしたが,今年は発表者全員が現地での参加となり初めて現地参加しました.

エコーハンズオンでは,テーブル講師に指名されました.描出がまだ得意でなく,知識や経験もまた不足しているため,自分が講師となるに戸惑いを感じました.今後はしっかり人に教えられるように頑張ろうと改めて思いました.

本会では白幡毅士先生が司会,千馬誠悦会長の御発令で開始されました.急遽湯本先生が欠席されたため,一般演題の持ち時間が1人14分に伸び,深いディスカッションが可能となりました.秋田大学からは白幡先生の御指導の下,小滝先生,中西先生と自分の3演題を発表しました.自分以外の2人とも非常に見やすいスライドと落ち着いた発表,適切な質問対応で非常に素晴らしい発表でした.齋藤光先生,久田朱里先生からも貴重な症例を報告頂き,とても勉強になりました.

ミニレクチャーでは湯浅悠介先生が舟状骨骨折に関して診断から治療までレクチャー頂きました.スポーツ障害に関する復帰時期や経験した症例から得た知識についても詳しく教えて頂きました.近しい先輩のレクチャーということで非常に興味深く拝聴しました.

特別講演ではJACHO大阪病院の島田幸造先生より「肘関節外科の怖さと面白さ 〜肘関節鏡視下手術を実践して〜 」と題してご講演頂きました.肘関節外科で御高名な島田先生が下積み時代から症例に触れ,何を感じ,ご研鑽を積まれたのか詳細に教えて頂きました.島田先生は多くの手術をご執刀されるだけでなく,多くの論文もご執筆されておりました.手術した症例から感じたことを論文のテーマとして取り上げ,それをさらに深める研究する姿勢は,本当に素晴らしいと感じました.

僭越ながら閉会式の前に一般演題の最優秀賞の発表があり,私の演題を選出頂きました.本発表は白幡先生を始め,大学にいる小滝先生,中西先生のご助力を得て作成したものであり,先生方には心から感謝しております.今後も手外科医を目指し,臨床・研究共に精進していきたいと思います.

秋田外傷グループが秋田大学附属病院先進医療に関わるプロジェク トコンペで優秀賞受賞(野坂光司)

先日行われました,秋田大学附属病院 先進医療に関わるプロジェクトコンペで秋田外傷グループが 優秀賞を受賞しました.

演題名は「重度四肢外傷における一時的創外固定の現状と未来」です.

これまで過去3回,イリザロフ班としてプロジェクトコンペを勝ち抜いてまいりました.

・『救肢』への挑戦 ~『切断肢』を回避するための整形外科チームイリザロフの取り組み~

骨折を皮膚切開なしで体外から整復・固定する新技術 MATILDA法

・創外固定患者の退院支援を患者の立場に立って考える ~地域連携の導入~

今回は,当院に高度救命救急センターが開設され,全国でも有数のマイクロサージャンであり,外傷の達人でもある白幡毅士先生が当院に来てくれてからの,秋田外傷グループとしての新たなリサーチで受賞することができました.

全国の多くの大学病院に高度救命救急センターが開設されていますが,外因性の救急症例を受け入れているところはごくわずかです.大学病院の,特に整形外科学講座は慢性期疾患の手術にしか対応できないところが多く,超急性期治療かつ多数回手術を要する重度四肢外傷治療には,大学という組織は小回りがきかないことなどから不向きであるためです.また重度軟部損傷を伴う症例では,多くの大学病院には軟部再建ができる整形外科医がいないため,他科とのコラボレーション治療を余儀なくされるという致命的な弱点があります.当講座はイリザロフ班とマイクロ班の融合により講座内で外傷治療を自己完結できるという,全国でも珍しい,非常に強力な特性を持っております.この体制を作って下さった宮腰尚久教授には心より御礼申し上げます.

地方の小さな国立大学である当院において,この重度四肢外傷治療を可能にしたのは,これまでのイリザロフのノウハウに,白幡毅士先生の持つ技術力の高さがガッチリと融合された結果です.さらに腕の立つ各関節のスペシャリスト,脊椎骨盤外傷におけるフットワークの軽く相談しやすい脊椎外科医,昼夜を問わず,透視係や器械出し係を引き受けてくれるヤングドクターなど,講座全員の協力体制の賜物だと思います.この4月からは三田基樹先生も大学に戻り,より強力な布陣となりました.

また,看護スタッフ,リハビリテーションスタッフ,全身管理をして下さる救命講座の先生方,いつも快く麻酔,手術をお引き受け下さる手術部のみなさま,麻酔科の先生方には感謝しかございません.

宮腰尚久教授のご指導のもと,今後も重度四肢外傷治療は,地方国立大学病院でも可能であるという,いいモデルケースになれるよう,秋田外傷グループのみならず,講座全員でスクラムを組んで頑張ってまいります.

Dr. Issaraが1ヶ月の脊椎フェローシップを修了しました

2023年5月の1ヶ月間、タイのRamathibodi HospitalからDr. Issara Chandrsawangが脊椎フェローシップとして秋田で研修を行いました。

コロナ前のDr. Wittawat、Dr. Pilanに続いて3人目のタイからのフェローです。

現在脊椎1年目というDr. Issaraですが、とても優秀かつ、優しさに溢れる方で、すぐ我々の中に溶け込んでくれました。

秋田大学と秋田厚生医療センターを中心に、北秋田市民病院や市立横手病院、平鹿総合病院などで約30件の脊椎手術に参加いただきました。

手術以外にも、一緒にバーベキューや、まだ雪の残る鳥海山を登山、男鹿の街中をランニングしたりと秋田を満喫していただけたと思います。

Dr. Issaraのコメントです。

I am warmly welcomed by everyone. This team is very kind to me. I learnt many things not only in academic issue but also good Japanese culture.
I appreciate it that I had the opportunity to be in this team.
The schedule was excellent. There are many operations that I’ve seen and taken part in especially in spinal deformity surgery.
I would suggest Akita university hospital to my colleagues if they wanted to go abroad for spine surgery training.
I’m certain that I would visit here again in the future.

C.Issara ,M.D.

ผมได้รับการต้อนรับอย่างอบอุ่นจากทุกๆคนในโรงพยาบาลเมืองอาคิตะ ทุกคนดีกับผมมากๆ ผมได้เรียนรู้มากมาย ไม่เพียงความรู้ทางการแพทย์ แต่รวมถึงวัฒนธรรมที่ดีของประเทศญี่ปุ่นด้วย
ผมประทับใจมากที่ได้มีโอกาสเป็นส่วนหนึ่งของทีมนี้ตารางกิจกรรมดีเยี่ยม มีการผ่าตัดมากมายและหลากหลาย โดยเฉพาะอย่างยิ่ง Spinal deformity surgery
หวังอย่างยิ่งว่าจะได้มีโอกาสพบกันใหม่ครับ

นพ.อิศรา จันทร์สว่าง

Dr.Issara、こちらこそとても楽しい思い出をありがとうございました!

今後も秋田大学整形外科では、Ramathibodi Hospital, Mahidol Universityと交流を続けて参ります。

ぜひ近いうちに秋田からもタイへ学びに行こうと思います。