投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第10回秋田県股関節研究会(五十嵐駿)

令和3年10月9日(土曜日)に第10回秋田県股関節研究会がオンラインで開催されました。

まず、一般演題では、

三浦隆徳先生(市立角館総合病院)には、CroweⅢ股関節症の高度屈曲拘縮例に対するS-ROMステムの使用経験について、

河原木剛先生(秋田厚生医療センター)には治療に難渋した透析患者の脆弱性骨折について、

岩本陽輔先生(大曲厚生医療センター)には大腿骨頸部骨折症例におけるcorail stemのstem周囲骨密度の推移について、

藤井昌先生(市立秋田総合病院)には大腿骨近位部骨折の骨折形態と骨強度パラメーターとの関連について発表していただきました。

質疑応答も活発に行われ、どの発表も今後の診療に役立つとても興味深い内容となっておりました。

 

特別公演Ⅰではではまず、平鹿総合病院の佐々木研先生に「股関節と脊柱骨盤矢状面アライメント」についてレクチャー頂きました。近年注目されているHip-spine syndrome、脊椎疾患と股関節疾患の関係性についてわかりやすく説明して頂きました。

続いて、秋田労災病院の加茂啓治先生に「高齢者に対する人工股関節置換術」についてレクチャーを頂きました。高齢化が特に進んでいる秋田県において大変重要な内容を発表して頂きました。

 

特別講演Ⅱでは、宮崎大学医学部整形外科学教室教授の帖佐悦男先生から「股関節学-critical thinking-」と題して、先生のこれまでの経験から導かれた整形外科医としての教訓を始め、寛骨臼形成不全やHip-spine syndrome、骨盤骨折等に関して多くの知見をご講義いただきました。画像所見の適切な評価や厳密な手術適応の検討の重要性など若手にとっても習得が必須な内容を大変分かりやすく解説して頂き、非常に感銘を受けました。

 

第10回の秋田県股関節研究会も大変有意義な研究会となりました。

今回学ばせていただいたことを今後の臨床、研究に活かして、また明日から一人でも多くの患者様に満足していただける医療を行えるように努めたいと思います。

野坂光司講師インタビュー(医学知見探求サービス Quotomy 第1話)

野坂光司講師のインタビューが、医学知見探求サービス Quotomyに掲載されました。

3話構成の第1話です。ぜひご一読ください。

(記事を読むためにはログイン登録が必要になります。

医師限定ですので、医籍番号・番号取得年月日をご準備ください。)

https://quotomy.com/originals/interviews/18

第7回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会 (原田俊太郎)

秋田の短い夏が足早に過ぎて行こうとしている2021年8月29日に「第7回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会」がオンライン開催されました。

 

シンポジウムでは三浦隆徳先生から「当院での人工膝関節周囲骨折の経験」、赤川学先生から「CT-free robotic assisted TKA(NAVIO)」、杉村祐介先生から「化膿性肩関節炎を発症した関節リウマチの1例」、嘉川貴之先生から「当科にて試行したARCR 77例の経過について」、岡本憲人先生から「脳性麻痺児の膝蓋骨高位に対し脛骨結節前進移動術を行なった1例」を御講演いただきました。どの先生方の発表も大変興味深く拝聴させていただきました。

 

ミニレクチャーでは秋田労災病院関展寿先生から「スポーツ選手を惹きつける診療のポイント」をご講演いただきました。我々若手整形外科医が日常診療で不安に感じていたスポーツ選手の治療について具体的に大変わかりやすくご発表いただきました。関先生はご自身がスポーツ選手だったこともあり、選手に親身に診療されておりもし私が学生だったら関先生に診ていただきたいと強く感じました。私も「来た時よりも美しく」を目標に今後の診療に努めてまいりたいと思います。

 

特別公演の1題目は長崎大学医学部整形外科学教室病院准教授、米倉暁彦先生から「膝周囲骨切り術の新たな治療戦略」を御講演いただきました。我々若手整形外科医がまだ接する機会が少なく、知識として不十分であった骨切り術に関して各術式の適応や注意点を大変わかりやすくご教示いただき、骨切り術がより身近なものに感じられるようになりました。

 

特別公演2題目は滋賀医科大学整形外科学講座教授、今井晋二先生より「肩関節脱臼後障害と鏡視下ラタルジェ手術」を御講演いただきました。動画を交えての骨欠損を伴う症例の系統的な治療プロトコールは大変わかりやすく、明日の診療から役立つ知識ばかりでした。また新デバイスであるsasumata guideを用いた手術は大変興味深く、完成し我々も使用できる機会を心待ちにしております。

 

講演後はフロアからも質問が殺到し、大変な盛り上がりを見せておりました。私自身も多くのことを学ばせていただき、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。今回学んだ内容を今後の診療、研究に役立て行きたいと思います。

島田洋一名誉教授インタビュー(医学知見探求サービス Quotomy 第1話)

島田洋一名誉教授のインタビューが、医学知見探求サービス Quotomyに掲載されました。

3話構成の第1話です。ぜひご一読ください。

(記事を読むためにはログイン登録が必要になります。

医師限定ですので、医籍番号・番号取得年月日をご準備ください。)

https://quotomy.com/originals/interviews/16

関節機能改善トピックスセミナー in AKITA(村田昇平)

7月となり,今年もいよいよ夏本番の足音が聞こえる時期となって参りました.スポーツを行うに気持ちの良い季節となり,今年は東京オリンピックも開催予定であります.そんな運動シーズンにぴったりな「関節機能改善トピックスセミナー in AKITA」が令和3年7月1日にオンライン開催されました.

一般演題では宮腰尚久准教授の座長のものと,秋田大学,齊藤英知先生より「前十字靭帯不全による2次性変形性膝関節症に対するアプローチ」と題してご講演いただきました.先生の非常に豊富な経験から導き出された,ACL不全の膝OAに対する骨切り術の治療戦略,実際に手術を行う上でのテクニカルなポイントをご教示いただきました.膝関節手術において,関節温存,関節機能改善の観点から,近年,骨切り術への関心が年々高まってきております.実際の臨床の場では手術適応などの決定に難渋することも多いですが,齊藤先生の明瞭なお話は,膝治療に携わるものとして,とても勉強になりました.

特別講演では秋田県立療育機構理事長,島田洋一先生の座長にて,愛知医科大学整形外科学講座教授,出家正隆先生より「変形性関節症治療の話題」と題してご講演を賜りました.出家先生のご講演では,運動療法,PRP療法,ヒアルロン酸の関節注射,装具療法,TKA手術の適応など,保存治療から手術治療まで,「膝関節機能改善」に関するありとあらゆる話題をご教示いただきました.どの話題も素晴らしかったですが,私は,秋田ではまだあまり馴染みのないPRP療法の実際や,装具療法による半月板移動量の変化に関する研究について,特に興味深く拝聴させていただきました.公演後はフロアからも質問が殺到し,非常に盛り上がっておりました.関節機能改善のために,明日からの診療,研究に実践できるお話をたくさんしていただき,大変感銘を受けました.

膝関節機能低下により痛みなどのトラブルを抱えた症例は,整形外科の臨床の場では日々遭遇します.「関節機能改善トピックスセミナー in AKITA」では,関節機能を回復させるための多くのことを教えていただきました.今回,学んだ内容を活かして,今後の診療,研究に邁進していきたいと思います.

第50回日本脊椎脊髄病学会学術集会で島田洋一名誉教授が歴代会長講演を行いました

2021年4月22日〜24日、国立京都国際会館で第50回日本脊椎脊髄病学会学術集会が大阪医科薬科大学根尾昌志会長のもと開催されました。

厳しい社会情勢ですが、現地とオンラインのハイブリッドの開催となりました。

 

今回は第50回記念ということもあり、

テーマは「レジェンドを知る、レジェンドを創る」です。

島田洋一名誉教授がレジェンドのお一人として、「歴代会長講演 バトンをつなぐ:麻痺とリハビリテーション」でご講演(オンライン)されました。

 

「脊髄再生医療に向けたリハビリテーション先端機器の開発と臨床応用」と題してのご講演で、札幌医科大学の押切勉先生にそのバトンがつながれました。

 

秋田大学整形外科では札幌医科大学で開発された再生医療等製品「ステミラック注」を投与した後のリハビリテーションとして、リハビリテーションロボットの開発を行っております。

現実の治療となった再生医療が、よりよい効果を出せるリハビリテーションの構築を目指し、そのバトンを私共も繋ぎ続けてまいります。

 

阿部栄二先生(秋田厚生医療センター名誉院長)古希のお祝い(木村竜太)

秋田県の脊椎外科の礎を築かれ、今もトップランナーとしてご活躍されている、

秋田厚生医療センター名誉院長の阿部栄二先生の古希のお祝いを行いました。

 

本来は昨年の秋田県脊椎脊髄病研究会で大々的に行う予定でしたが、この情勢のため延期となり、

3月25日、70歳のお誕生日にお祝いの品を贈呈いたしました。

 

古希の紫色に染められた脊椎インプラントは、阿部先生が作ってこられたインプラントです。

 

現在取り組まれている成人脊柱変形に対する治療に用いるT9-S2 AIのlong fusionモデルを作成しました。

頭側から初期モデル、二代目、三代目と歴史が並んでおります。

 

阿部先生のこれからのご健康とさらなるご活躍を祈念するとともに、

我々後輩も、偉大な先輩を超えられるよう精進してまいります。

 

 

2nd International Knee Dayを終えて(齊藤英知)

2021年3月18日から19日にかけて行われた第2回国際膝の日(2nd International Knee Day)に参加し講演して参りましたのでご報告です。このコロナに見舞われた昨今、学会や研究会の開催様式も移動の自粛に合わせてすっかりと様変わりし、このインターネット環境の発展に伴ったオンライン形式で、自宅や職場にいながら海外の最先端の情報を共有できる時代になってきました。今回は、その恩恵にあやかり(本当は主催地であるドイツのベルリンに移動し、ホテルに宿泊し、博物館巡りでもしながら講演する・・・・・)、職場から手術の合間に2時間の参加となりました。
経緯はといえば、この会議は各国の学会が協力をしていて、日本整形外科スポーツ医学会(JOSSM)もInternational Partnerとなっており、コラボレーションの一環としてJOSSMセッションが設けられ本学会に所属の先生方が参加してきました。座長は神戸大学の黒田良祐教授が務められ、講演は、金沢大学の中瀬順介先生、高知大学の池内昌弘教授、東京医科歯科大学の古賀英之教授、自分と最後に黒田良祐教授が担当しました。どの演題も素晴らしい日本を代表する内容で、世界に日本のレベルの高さとオリジナリティをアピールできたと感じました。その中でも自分の発表は、秋田大学に赴任してから10年で膝周囲こつ切り術を施行数が400膝を超えましたので、前十字靭帯損傷後の変形性膝関節症の手術療法について我々の手術成績をお話致しました。その内容については、近日中に論文になりますので、また、その時にお話することに致します。
ワクチン接種もいよいよ始まり、人の往来、交流がまた自由にできる日が早く訪れることを期待してます。

 

 

 

 

 

 

https://www.knee-day.com/program

第42回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会で優秀賞(基礎部門)受賞(東海林諒)

第42回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 基礎部門優秀賞選出の喜び(東海林諒)

 

今年の東北骨代謝・骨粗鬆症研究会は、新型コロナウイルス感染症の全世界的な流行の影響により、Web開催されることとなり、当教室からは自分と土江先生の2題の発表がありました。

 

私の演題は「新しい乳癌骨転移モデルの作成」というもので、今までに報告のなかった、扱いが簡便な乳癌局所骨転移モデルを作成し、これに対してゾレドロネートを使用して、骨破壊の程度を考察した研究になります。今回この演題が基礎部門優秀賞に選出され、大変嬉しく思っています。近年、世界的な高齢化や、担癌患者の増加などを背景に、転移性骨腫瘍患者は増加し、その薬物治療の必要性は増しています。そのような背景のもと本研究を開始し、その成果が由緒ある本学会において評価されたことは至上の喜びです。

 

島田教授、宮腰准教授をはじめ、骨代謝グループの先生全員のご指導と、大学院生、工藤さん、実験に関わる全ての方々のご協力をいただき、教室を代表して受賞できた賞だと思います。この場を借り、改めて皆様に感謝申し上げます。今後はASBMRのPlenary Posterを受賞した先輩を目標とし、さらに研究を続け、その成果を論文として世に送り出すために今後も頑張ります。今後ともご指導何卒よろしくお願いいたします。

 

 

追伸:代表世話人の弘前大学石橋教授にも感謝いたします。