投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

甲子園−秋田県代表明桜高校帯同−(木村竜太)

夏の風物詩、甲子園 全国高校野球選手権大会の帯同ドクターとして今年も参加しました。2009年から行っているこの取り組みは、今回の出場校でもある明桜高校が、前回出場したときに始まりました。今年は井上純一先生、赤川学先生、木村でサポートしました。

 

理学療法士の先生2人と、3人1組となり、まず医師が診察、方針を設定、理学療法士がケアを行っています。また野球による障害以外にも、熱中症対策や、内科的疾患などへの対応も行います。

今年は試合日程が後半になり、選手は長期の待機時間になりましたが、幸い帯同期間中に大きな怪我はなく、試合に臨むことできました。

試合結果は残念でしたが、試合後選手から「痛みで走れるか不安でしたが、おかげで全力プレーできました。ありがとうございました。」というとても嬉しいコメントをもらう事ができました。

今後も秋田県のスポーツが盛り上がるよう、メディカルサポートの充実を図ってまいります。

第38回秋田県リハビリテーション研究会(飯田純平)

平成29年8月5日、秋田大学医学部付属病院に新たに完成した本道40周年記念会館講堂で秋田県リハビリテーション研究会が開催されました。

一般演題では秋田県内で活躍するリハビリテーションスタッフや先生方の発表がありました。整形外科医としては普段かかわることが少ない神経変性疾患や脳血管疾患に関する最新の知見や様々な試みなども拝聴することができ、大変勉強になりました。

特別講演では、岡山大学病院総合リハビリテーション部・リハビリテーション科教授の千田益生先生から「周術期のリハビリテーション-岡山大学病院での取り組み-」と題して、ご講演いただきました。千田先生は、幅広い疾患を対象に術前リハに取り組み,さらに術前リハの効果を客観的立場に基づいて示していただきました。また、岡山大学では医師・リハビリスタッフ・薬剤師・看護師・多くのコメディカルが初めから一丸となって周術期リハに取り組んでおり、大変感銘を受けました。

最後となりますが、特別講演をいただきました千田先生、座長の労をいただきました先生方、当日暑い中、参加されました多くの先生方の今後の益々のご盛栄をお祈りしております。この度は大変ありがとうございました。

第2回裏磐梯外傷Ilizarov法セミナー(野坂光司)

7月28~30日,第2回裏磐梯外傷Ilizarov法セミナーが開催され,私は7月29,30日の二日間,行ってまいりました.講演者は松下隆先生,門司順一先生,大関覚先生,寺本司先生,衣笠清人先生,正田悦朗先生,渡部欣忍先生,牧野佳朗先生,最上敦彦先生,竹中信之先生,大塚和孝先生,野澤大輔先生,加藤成隆先生,髙木基之先生,私と,様々な分野から集結いたしました.最新のIlizarov,プレート,髄内釘の,手術手技のコツ,ピットフォール,豆知識など,学会とは違った情報を,ハンズオンを行いながら,実際に学べるスタイルで私自身も大変勉強になりました.同門からは益谷法光先生,湯浅悠介先生が参加し,積極的に質問し,議論に加わっていて,非常に頼もしく感じました.

 

大関教授の『Ilizarov法はノーベル賞に値する発見だと思います』という講演中のお言葉には,全く同感でした.Ilizarov法は,健常部を傷つけることなく,組織再生を行える魔法の技術です.Bone Transportを含む仮骨延長法を必要とする多くの患者さんを,たくさんの地域から紹介いただくようになった今,秋田Ilizarov法グループの若手も,本気でIlizarov法の習得,Microsurgeryの習得をして,新しい扉を開いてほしいと切望しております.

 

第35回日本骨代謝学会(赤川学)

2017年7月27〜29日、福岡で開催された第35回日本骨代謝学会学術集会に参加しました。この学会は、整形外科はもちろんですが、基礎、内科、放射線科、歯科など多分野から参加者が集まる学会です。

秋田大学からもA-BONEメンバーから、宮腰准教授、粕川講師、土江先生、尾野先生、佐藤千晶先生、自分が参加し、また大学外からも佐々木聡先生、木下先生が参加しました。

今回の学会では、宮腰准教授の論文「Healing of bisphosphonate-associated atypical femoral fractures in patients with osteoporosis: a comparison between treatment with and without teriparatide」がJBMM論文賞を受賞され、総会で表彰されました。本当におめでとうございます。

また宮腰准教授は、最終日のランチョンセミナーでも「骨折の危険性の高い骨粗鬆症と骨形成促進剤」のタイトルで御講演され、生命予後に影響を与える脊椎椎体骨折や大腿骨近位部骨折の予防について、骨形成促進剤であるテリパラチドの効果を基礎・臨床両方の側面から大変わかりやすく示していただきました。

一般口演には比較的基礎の内容が多いため、発表内容や質疑応答もメ カニズムや分子機構まで踏み込んだものが多く、非常に難しい内容も多くありましたが、普段行っている日常臨床での骨粗鬆症治療に、基礎的背景を持つことができた部分もあり、大変勉強になりました。自分の発表に対しても多くの質問をいただき、これを持ち帰ってさらに研究内容を深めたいと思います。

JBA 3×3 JAPAN TOUR in Akita 優勝報告(藤井 昌)

2017年7月8日(土)、日本バスケットボール協会公認の3×3の大会が開催されました。秋田大学整形外科が誇るバスケチーム・Akita Northern Bisonsは、学会等でフルメンバーが揃わない中、能代が生んだテロリスト・塚本泰朗、期待の新星・五十嵐駿、藤井の3名に加え、supervisorにレジェンド長谷川誠氏を迎え、かつてない異色のメンバーで参加してきました。会場は秋田イオンショッピングセンターのセントラルコートに特設の会場が設けられ、吹き抜け3階までの多くのギャラリー、ゲームを盛り上げるDJ、その上長谷川氏の登場で注目度は抜群でした。試合は合計8チームによるトーナメント戦で、負けたら終了という一発勝負の中、相手チームには若い選手が多く、全試合がクロスゲームとなる非常に厳しい展開となりました。その中で塚本選手の驚異のディフェンスやリバウンド、五十嵐選手の重要な場面でのミドルシュートなどで要所を締め、見事優勝することができました。大観衆の中、しびれる展開のゲームを勝ちきったことは、とても良い経験と自信になったと同時に、東日本整災での王座奪還に向け大きな弾みになりました。さらに今大会で、次世代エースの呼び声が高い五十嵐選手の正式加入が決まり、今後のさらなる躍進が期待されます。引き続きBisonsへのご支援、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

①多くのギャラリーに囲まれ試合開始

 

②優勝後、長谷川氏を交えて

 

③終了後、サイン攻めにあう五十嵐選手

バスケ選手としても、整形外科医としても、今後の活躍を期待しています!

第4回日本重度四肢外傷シンポジウム(野坂光司)

7月22~23日,東京で行われた第4回日本重度四肢外傷シンポジウム(JSETS)に講師として参加してまいりました.『重度四肢外傷の標準的治療(南江堂)』を執筆された土田芳彦先生が立ち上げられ,今回は札幌徳洲会病院外傷センター長 辻英樹先生会長のもと,盛大に行われました.同門からは外傷スペシャリストのみなさま(湯本聡先生,谷貴行先生,白幡毅士先生,湯浅悠介先生)が参加しました.私は『重度四肢外傷における最新のIlizarov治療戦略』というテーマで講演の機会をいただき,辻会長には心より御礼申し上げます.

 

今回もMicrosurgeryの重要性とIlizarov創外固定の生きる道を深く考えさせられる内容でした.また,土田芳彦先生,辻英樹先生らJSETSの方々の『日本の外傷学を立派なものにしていく』という強い信念に心打たれる内容が多かったです.

 

懇親会では,やはり島田教授の秋田県におけるリーダーシップの実際について,最上敦彦先生,土田芳彦先生ら多くの方々から話題にのぼり,非常に誇らしかったです.

 

島田洋一教授会長のもとで行われる日本創外固定・骨延長学会に向けて,秋田大学,関連病院でもIlizarov,重度四肢外傷のすそ野をもっともっと広げていかなければならないと感じました.

Rehab week 2017(木村竜太)

7月17〜22日、英国ロンドンで開催されましたRehab Week 2017へ、当講座より島田洋一教授、松永俊樹准教授、工藤大輔先生、飯田純平先生、井上純一先生、畠山和利先生、渡邊基起先生、千田聡明先生、木村、当大学工学部より巖見武裕教授、秋田高専より小林義和准教授の計11名で参加してまいりました。International Neurorehabilitation Symposium (INRS)、IEEE International Conference on Rehabilitation Robotics (ICORR)、Annual Meeting of the International Functional Electrical Stimulation Society (IFESS)、British Society of Rehabilitation Medicine (BSRM)​​ Meetingの4学会が併催され、日本からも医学、工学両分野から多くの参加者がいらっしゃいました。レクチャーが主体でしたが、Poster発表では畠山先生、渡邊先生、千田先生、小林先生、木村がIFESSで、工藤先生がBSRMで発表を行いました。

 

本会はICORRというリハビリテーションロボットの学会も含まれているため、多くのリハビリテーションロボットの展示も行われていました。歩行訓練ロボットでは、日本に1台しかないLokomatのデモもあり、実際に体験しながら、現地のPT、エンジニアから詳細を聞くことができました。目標軌道追従型でありながら、麻痺の改善に応じてモーターサポートとは競合せず、ケーデンスに合わせた歩行速度の調整もできるなど、高い技術に感動するとともに、我々のロボットの利点というのも実感しました。

また手指ROM訓練ロボットや、外骨格系の歩行補助ロボットも様々な機構のものが開発されていました。個人的には、転倒予防訓練のために外乱を歩いている人に与えるという衝撃的なロボットもあり、リハビリ自体にリスクも感じましたが、今後もっと様々なリハビリテーションロボットがでてくると思われ、ワクワクさせられました。

今回得た経験、情報をもとに、より研究の発展へ邁進してまいります。

 

第50回日本整形外科学会骨軟部学術集会(土江博幸)

この度、7月13日~14日にかけて、京王プラザホテルで行われた第50回日整会骨・軟部腫瘍学術集会に参加してきました。

数少ない骨軟部腫瘍の大きな学会のため、この2日間はみっちりと勉強してやろうと、初日の朝に教育研修講演やらセミナーやらを申し込みまくり、自分が逃げられないように追い込んでみました。普段そこまで勉強をしているわけではないので、午後になるとかなり頭の疲労感がでてきましたが、幸いずっと1人で行動していたため、さぼって遊びに行きたいとう誘惑にとらわれる事も無く、会場に残る事が出来ました。おかげさまで、かなり自分の知識を整理する事が出来ました。

昨年の留学のおかげで人脈も少しずつ広がり、毎晩、他病院の骨軟部腫瘍の先生方と飲んで語る機会があり、とても充実した2日間を送る事が出来ました。同じ留学先で一緒に研修した奈良医大の塚本先生とは、同世代で語り合い、とても楽しい時間を送る事が出来ました。さらに、宿泊したカプセルホテルが一緒かつ同じフロアーという事がわかり(この学会に参加したDrがカプセルホテルをチョイスすること自体そうないだろうに…)、不思議な縁を感じました。

今回は留学から帰国後すぐの締切だったため、演題の準備が間に合わず1例報告のみでしたが、来年は最低3演題、できれば5演題は出せるように精進しようと思います。

※下の写真は、専門医試験の単位用の特別講習会を受講しに来た大学院生達と。ほぼ1人行動だったため、この時でないと自分と会場が写った写真を撮る事が出来ず…。

第43回日本骨折治療学会 (JSFR2017) 木島泰明    

2017年7月7-8日、福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」にて第43回日本骨折治療学会が開催されました。2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、同施設内に福島県内最大の収容避難所が設けられ、一時は2,500人もの避難者が入所していたそうです。ここの駐車場は無料でしたので、私は秋田から車で会場入りしました。

本学会の主役の一人は何といっても我らが野坂光司先生でした。いきなり初日の第1会場のヌーンタイムレクチャー(ランチョンセミナー)を担当されており、一番広い会場にもかかわらず聴衆でいっぱいで、このブログ用の野坂先生の晴れ姿を写真に収めることができませんでした(申し訳ありません)。それ以外にも野坂先生は、イリザロフ創外固定と感染性偽関節、イリザロフ創外固定器とインプラント周辺骨折、イリザロフ創外固定器と足関節周辺骨折と立て続けに一般演題でもご発表され、秋田のイリザロフの応用範囲の広さを全国にしっかりアピールしてくださいました。

中通総合病院の千馬誠悦先生も参加されており、PIP背側脱臼骨折の治療というタイトルでご発表されておりました。この千馬先生のご発表を含めて、本学会での秋田大学整形外科関連の発表は合計10演題あったのですが、そのうちの半数、5演題を占めたのは何と我ら股関節グループ(Akita Hip Research Group; AHRG)メンバーによる大腿骨近位部骨折(Hip Fracture)の演題でした。

ご存知の通り秋田県は世界有数の高齢化地域であり、高齢者に多く、生命予後にも直結する骨折が大腿骨近位部骨折です。何よりも予防が大切な骨折で、予防に関して秋田ではA-BONE(Akita Bone and Osteoporosis Network)メンバーがその先進的な研究に携わっておりますが、それでも起こってしまったこの骨折に対しては、どのように治療すればよりよく患者さんに生活に復帰して頂けるのかが大切になってきます。

そのために我々AHRGが考案し、世界に向けて発表しているものが、大腿骨近位部骨折のAkita分類(Area Classification of Hip fracture)です。このAkita分類に関する演題を長幡樹先生、谷貴行先生、久保田均先生、木島が発表してきましたが、私の発表に対して聴衆の方が質問して下さったときに、この分類は非常にわかりやすく有用だと思っていますとお話ししてくださいました。まだAkita分類に関する英語論文は2つ(下記参考文献)のみですが、少しずつ国内外で地道にアピールしていくことで、世界的に使われる分類にしていくことがAHRGの目標の1つです。ぜひこのブログを読んで下さった整形外科医の皆さんにも利用して頂きたいと思います。

参考文献1→http://dx.doi.org/10.1155/2014/359689

参考文献2→http://springerplus.springeropen.com/articles/10.1186/s40064-016-3206-1

第7回秋田県運動器疼痛セミナー(飯田純平)

一般演題では,大学の木村先生が日常診療にすぐに役立つ,超音波を用いた低侵襲かつ効果的な腰痛治療について最新の知見を,まだ市立横手病院の大内先生が腱板断裂に対する保存治療や手術治療の効果について詳しくお話いただきました.

特別講演では,新潟大学医歯学総合病院整形外科 講師でいらっしゃる渡邊 慶先生に「高齢者の脊柱変形に対する取り組み 保存治療から矯正手術まで」という内容でご講演をいただきました.脊柱アライメントやバランスの概念の基本から,Hip-Spineを通じた全体のアライメントやCoronalアライメントの重要性について,また,重度脊柱変形に対するPSOの適応やその注意点についても、大変貴重なご経験をお話いただきました. また,成人脊柱変形に対する早期診断と適切な介入の必要性とその方法といった,日常外来診療にもすぐに役立つような知識も得ることができ,大変勉強になるご講演でした.

今後とも渡邊 慶先生の御活躍をお祈りしております.この度は本当にありがとうございました.