2019年10月3日に第10回秋田県骨粗鬆症PTH治療研究会が開催されました。
研究会では一般講演として能代厚生医療センターの飯田淳平先生、大曲厚生医療センターの嘉川貴之先生からご講演いただき、香川大学医学部整形外科准教授の真柴賛先生から特別講演をいただきました。
飯田純平先生からは「脊椎領域における早期離床のための疼痛コントロール」のテーマでご講演いただきました。慢性腰痛症に対する内服治療としてのサインバルタの使用方法や、急性疼痛を呈する脊椎疾患・重篤な脊椎外傷に対する早期の手術治療の成績を提示いただきました。若手脊椎外科としての飯田先生のご活躍は後輩の我々としてはとても輝いて見えました。
嘉川貴之先生からは「肩関節周囲の疼痛について」のテーマでご講演いただきました。肩関節の疼痛について、原因別にその詳細を解説いただき、痛みの原因同定の重要性を教えていただきました。肩痛を訴える患者は外来に多数みられますが、治療に難渋する慢性疼痛の悪循環を改善させるための内服治療の経験を教えていただきました。両先生の講演とも明日からの診療に役立つ内容で、大変勉強になりました。
真柴賛先生からは「テリパラチドの生理的な骨代謝促進と整形外科治療にとってのメリット」と題してご講演いただきました.骨の解剖と代謝メカニズムの基礎から始まり、骨粗鬆症治療薬の作用機序について基礎から臨床まで最新の知見もあわせてご講義いただき、目からウロコの内容が盛りだくさんでありました。特に、骨吸収抑制剤と骨形成促進剤の作用の違いについては大変わかりやすく説明いただき、日頃から多数の骨粗鬆症治療薬の選択にせまられる我々には非常に重要な内容でありました。今回学んだことを活かして明日からの骨粗鬆症治療,PTH製剤使用についてより一層見識を深めるように努めていきたいと思います.