投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第23回日本腰痛学会 (1日目工藤大輔、2日目粕川雄司)

2015年11月14日から15日の会期でJPタワーホール&カンファレンスを会場に第23回日本腰痛学会が開催されました。秋田からは私と宮腰尚久准教授、本郷道生講師、粕川雄司講師、鵜木栄樹先生が発表いたしました。私は“腰椎変性疾患術後遺残疼痛に関連する因子の検討”について発表し、PainVISIONTMの機器の特徴、今回明らかになった術後成績不良因子を有する患者に対する対応についてご質問を受け、今後の論文作成の参考になりました。他には腰痛に関する基礎研究、脊柱アライメント、QOL、骨粗鬆症、低侵襲を含めた各種手術術式に関して様々な研究が発表され、大変興味深い演題が多かったと思います。特に基礎研究では閉経後の傍脊柱筋内のpH低下と筋原性腰痛に関する動物実験についての演題があり、以前から瀬川豊人先生がミノドロネートの疼痛抑制効果と骨内微小環境の酸性化についてご研究されていたことを知っておりましたので、骨内のみならず筋内でもpHの低下が起こり、腰痛の原因になっている可能性があるとの内容で大変興味深く、今後の臨床や研究の参考になったと思います。

初日のランチョンセミナーでは、宮腰尚久准教授が骨粗鬆症に伴う腰背部痛の予防と対策について骨粗鬆症患者の痛みの背景、薬物療法、運動療法、ブロック注射、手術療法について解説され、大変分かりやすく日常診療ですぐに使える実際的なご講演でした。会場は満席で、骨粗鬆症と腰痛に関する関心の高さが伺えました。2日目午後のシンポジウム「骨粗鬆症と腰痛管理」では、島田洋一教授が大阪市立大学の中村博亮教授と座長をされ,宮腰尚久准教授がシンポジストのお一人として「骨粗鬆症患者の腰背部痛に対する骨粗鬆症治療薬の鎮痛効果」について御発表されました。骨粗鬆症に起因する腰痛について基礎的な研究から、疫学や臨床像、さらに運動療法や薬物治療について、シンポジストの先生方から御発表があり、その後活発なディスカッションでとても盛り上がり、大変有意義なシンポジウムとなりました。

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第25回日本リウマチ学会 北海道・東北支部学術集会 (杉村祐介)

写真12015年11月13、14日に、第25回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会が盛岡市で開催されました。

今回AORAからは島田洋一教授の特別講演の座長をはじめ、宮本誠也先生のシンポジウム1題と、一般演題10題の計11演題を口演発表してきました。「関節リウマチの疫学・外科治療」の分野で、小西奈津雄先生、柏倉剛先生、浦山雅和先生、櫻場乾先生、鈴木紀夫先生、「関節リウマチの保存治療」の分野で、谷貴行先生、阿部秀一先生、加茂啓志先生、杉村祐介、「脊椎関節炎」の分野で相澤俊朗先生がそれぞれ発表しました。

一般演題の総数は54演題で、5題に1つはAORAからということで北海道・東北地区に我々の活動をアピールできたのではないかと思います。発表後には、北海道大学の渥美達也教授にもお声をかけて頂き、大変嬉しく思いました。

シンポジウムの「生物学的製剤の功罪」では、内科、整形外科のそれぞれのスペシャリストが集まり議論を交わしました。その中で、外科治療の必要な患者、必要なタイミングを見逃さないように、という”Surgical window of opportunity”の重要性を認識すること、また、周術期の生物学的製剤休薬によるフレアーアップと感染症対策とのジレンマの議論が盛り上がりました。今後はその分野のデータを蓄積していくことが必要と感じました。

AORAの研究発表をするだけでなく、他大学の研究からも多くの刺激を受け、とても実りの多い学会となりました。

今後もさらに活動を発展させられるよう日々頑張りたいと思います。

最後に、いつもご指導頂いております島田洋一教授、宮腰尚久准教授をはじめ、学会中の業務を代行してくださいました先生方に感謝いたします。

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第42回日本臨床バイオメカニクス学会(木島泰明)

2015年11月13日から14日の2日間、東京・お茶の水のソラシティ・カンファレンスセンターにて、第42回日本臨床バイオメカニクス学会が開催されました。学会長は東京医科歯科大学大学院運動器外科学教授の宗田大先生です。学会場のすぐそばに東京医科歯科大学、そしてそのすぐ隣に順天堂大学が見え、東京ならではの会場です。

この学会のテーマはバイオメカニクス(生体力学)ですが、”臨床”バイオメカニクスですので、生体力学的な手法で実際の患者さんに役立てられる技術や知識についてのたくさんの演題発表やご講演を拝聴することができました。

今回の学会長のご専門も膝関節ですが、理事長も史野根生先生であり、やはり膝の演題が多い印象ではありましたが、「圧迫性脊髄症のバイオメカニクス」や「骨折外科医によるバイオメカニクス研究」などのシンポジウム、手術支援ロボットや股関節・肩関節の解剖学の教育研修講演などもありました。

方法論としてはポイントクラスター法による動作解析や有限要素モデルによる応力解析などのスタディが多く、特に個人的には有限要素解析に関して興味深く勉強させてもらいました。どのような骨折、どのような骨形態には、どのような内固定材料、どのような人工関節デザインを用いるべきかといった、ある意味、究極の質問に対する答えもバイオメカニクス研究の中から出てくるのかもしれません。

そのような非常に価値ある本学会が2018年、島田洋一会長のもと、秋田市で開催されます。その準備も兼ねて、山田晋講師、野坂光司先生、そして木島が今回の学会に参加させて頂きました。

またAkita Sports, Arthroscopy, and Knee Groupの動作解析ワーキンググループリーダーの斉藤公男先生が、我々の行っている中学生アスリートに対するメディカルチェックにおける強化指定中学生の動作解析についてご発表されました。このワーキンググループから赤川学先生もバイオメカニクスについて勉強するために本学会に参加されていました。この学会においても秋田大学整形外科メンバーの今後の大活躍が予感されます。来年はぜひみなさんも参加してみませんか?DSC00645

全学駅伝2015(佐々木研)

11月7日,秋田大学手形キャンパスをスタート・ゴールとして第41回渡邉杯争奪全学駅伝が開催され,今年も秋田大学整形チームとして2チーム参加しました.Aチームはかなり充実したメンバーで臨み,3位入賞を目標としていました.レースは1区阿部先生が11位と出遅れ,2区千馬先生が見事なごぼう抜き,3区竹島先生,4区佐々木は粘りの走り,5区長幡は見事な復活の走り,6区高橋が前の4位大学職員チームとの差をつめ,7区初めてAチームに抜擢された三浦先生が4位とのデッドヒート,8区岩本先生が前を抜き4位に,しかし9区根本先生が抜かれ,10区成田先生が必死に追い上げるも惜しくも届かず,結果は5位となりました.Bチームは4人の助っ人の力もありましたが,例年であればAチームである山田先生,冨手先生,伊藤博紀先生がBチームに入るなど,レベルの高いチームとなり,過去最高タイムでの10位となりました.来年こそは学生に負けないぞ!

駅伝1

 

 

 

 

 

 

 

駅伝2

 

 

 

 

 

 

 

結果(訂正:阿部先生のタイムは-1分,千馬先生のタイムは+1分)

第6回秋田県足の外科・創外固定研究会(野坂光司)

11月7日(土)、第6回秋田県足の外科・創外固定研究会が開催されました。多数のご参加をいただきました。特にヤングドクターの目の輝きは素晴らしかったと思います。

特別講演は聖マリアンナ医科大学教授 仁木久照先生と長崎の牧野佳朗先生からいただきました。どちらも、自分にとっては大変有意義かつ、時間があっという間で、それはもうグイグイと引き込まれる内容のお話でした。仁木教授は日本の、そして世界の足の外科をリードされている方で、リウマチ足、スポーツ、扁平足など多方面で業績を出し、ご活躍中でございます。 私の留学先のBoss、Brodsky教授もことあるごとに『Nikiの論文では。。。』と説明に引用されておりました。牧野先生は昨年いらして頂いた寺本先生率いる長崎Ilizarov研究会の主力メンバーであり、AIMGが推奨する『牧野式牽引』の開発者としても有名です(脊椎の講演で佐世保を訪れた島田教授と、夜を徹してIlizarovを語り合ったことでも有名です)。

ミニレクチャーでは、柏倉先生からエコーとCTの新たな可能性をお話いただきまして本当に勉強になりました。非常に濃い内容でした。一般演題も8つ、しかも全てが素晴らしい内容でした。県レベルの足の外科・創外固定関連に、テコ入れもせずに一般演題が8つ集まるというのは、島田教授主導で始まったAFG、AIMGの層が厚くなった表れと感じました。最優秀演題賞は大学整形外科病棟 佐々木学看護師が受賞されました。非常にレベルの高い研究で、AIMGの臨床スコアの好成績は、看護師の方々の頑張りに支えられていることを強く印象づけられたと思います。

世話人会では今後の業績アップに向けて、今年の秋田大学整形外科流行語大賞の有力候補(個人的には『準優勝は敗者だ』か『論文合宿』だと思う)のひとつ、『論文合宿』をAFG,AIMG合同で行うことが約束されました。

今後ますますAFG,AIMGを盛り上げて行きたいと思います。今回頑張って下さった全関係者のみなさま、心より御礼申し上げます。

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第49回日本側彎症学会及び第24回日本脊椎インストゥルメンテーション学会(本郷道生)

2015年11月5日と6日の2日間、新潟市のりゅーとぴあ・新潟市民芸術文化会館で,第49回日本側弯症学会が開催されました。学会長は、新潟脊椎外科センターセンター長の長谷川和宏先生です.また,同じ会場で11月6、7日には日本脊椎インストゥルメンテーション学会(会長 冨士 武史先生・独立行政法人地域医療機能推進機構 大阪病院)があり「Spine Week Japan Niigata 2015」として合同開催となりました.二つの学会の同時開催により,両方参加の場合は参加料の割引されたり,似たようなテーマのセッションが重複しないようさまざまな工夫がなされていました.

今回の日本側彎症学会では,いくつかの新しい発表形式が試みられており,スライドは全て英語での発表となり,またステージに左右二つの演者台を置き交互に発表し,討論は一括とすることで時間を短縮し,より多くの演題発表ができる工夫がされていました.これにより例年のように活発な討論が行われつつ,かつスムーズな進行がなされていました.

学会のテーマは「健全な脊柱バランス:Natural Spinal Balance」です.このテーマに沿い,脊柱バランス,成人脊柱変形,進行機序,学校検診などの主題を含む合計194演題の発表がありました.秋田からは,これらの主題に沿って,県立医療療育センターの三澤晶子先生は側弯の進行機序と潜在性二分脊椎に関する口演発表,木下隼人先生は心機能障害を伴う重度脊柱変形の手術例の2例報告のポスター発表,佐々木研先生が脊柱後弯変形のmotion analysisのポスター発表,私からは脊柱アライメントに関する口演発表の4演題を発表しました.

他の発表は,メインテーマテーマに沿った特に成人脊柱変形の診断学,手術成績などに関する演題が多く見られました.これに関連して,フランスからこの分野の第一人者であり,CDシステムという脊椎インストゥルメンテーションの開発者であるDr. Duboussetによる脊柱変形治療の原理・原則に関する講演を拝聴しました.また,トピックスとしては,全身の2方向同時の撮影が低被爆で可能なEOSという装置のフランスからの専門家による講演がありました.日本まだ4台しか導入されていないものですが,このEOSを用いた研究の演題も増えており,今後普及が進むことが期待されます.側弯症学校検診のセッションでは,平成28年度から新しい運動器検診が始まるにあたり,側弯症検診のありかた,整形外科医の関わり方に関して,賛否両論の様々な意見交換がありました.

一方日本脊椎インストゥルメンテーション学会では「脊椎インストゥルメンテーションの光と影」をテーマとして新しい手術手技の成績とともに合併症の発表が多数報告されました.特別講演の新潟脊椎外科センターの本間隆男先生からは「頸椎頚髄外傷の診断学の劣化について-訴訟例からの考察-」と題して様々な難しい事例を提示してくださり,基本的な診察,診断手技の重要さを再認識しました.

昼間の学会終了後には,仙台の西多賀病院,千葉の船橋整形,千葉大の若手の先生方と新潟の繁華街である古町にてご一緒させていただき,夜更けまで交流を深めることができました.

以上のように,新潟にて研究成果を発表し,最新知見を得,様々な交流を深めることができて有意義な学会でした.留守中に業務を代行していただいた宮腰尚久准教授はじめ脊椎班の先生方,医局の方々に感謝申し上げます.

第1回なまはげ運動器セミナー (粕川雄司)

秋田では日々寒さが厳しくなり,ハロウィーンを翌日に控えた10月30日金曜日第1回なまはげ運動器セミナーが開催されました.高齢化が進み運動器治療の重要性がますます高まっているなか,今回のセミナ-では運動器の治療について多方面から学ぶことができました.

一般演題は,平鹿総合病院 小林 志先生より「運動器外傷に対する骨吸収性骨接合材の使用経験」と,秋田赤十字病院 田澤 浩先生より「人工関節周囲骨折」と題して講演いただきました.小林 志先生からは,高齢者にも多くなっている関節周辺の骨折に対し,吸収性の固定材料(スクリュー)を用いた手術の結果や経過について,複数の手術例を提示いただきお話しいただきました.田澤 浩先生からは,高齢者に行われる人工股関節・膝関節置換術後のインプラント周囲骨折に対し,様々な方法で治療された結果についてお話しいただきました.治療に難渋することの多い人工関節術後骨折の治療について勉強することができました.

特別講演は,慶応義塾大学 スポーツ医学総合センター 講師 岩本 潤先生より「骨粗鬆症の病態と薬剤選択」と題して御講演賜りました.骨粗鬆症は,骨が弱くなり骨折しやすくなるため,運動器の障害を引き起こす可能性が非常に高い病態です.岩本 潤先生は,その骨粗鬆症の治療に精通されている御高名な先生です.御講演では,骨代謝の基礎から骨粗鬆症における骨代謝の変化を動画でとてもわかりやすくお話しいただき,さらに複数の種類がある骨粗鬆症治療薬の作用機序や使用法,また適切な使用時期など詳細にわかりやすく解説していただきました.高齢化が進んでいる秋田県でも,骨粗鬆症の治療は非常に重要となっており参加者には大変有意義な御講演でした.遠路はるばる寒くなった秋田までお越しいだだき,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.

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第62回秋田県整形外科医会 (工藤大輔)

平成27年10月31日秋田ビューホテルにて第62回秋田県整形外科医会が開催されました。総演題数は17題で、うち卒後9年目以下のYoung Doctors Sessionが13題と若手の勢いが感じられる会でした。一般演題では、市立秋田総合病院リハビリテーション科柏倉 剛先生がDAS28で評価の対象となっていない関節リウマチMTP関節における理学所見と関節エコー所見の比較という新しい切り口の研究についてご発表され、見事受賞されました。また後半のYoung Doctors Sessionでは、若手、上級医の討論がさらにヒートアップ、どの演題も非常に内容がすばらしく、スライドの作り方を見ても自分が若手と言われていた時代と比べ、最近の若手全体のレベルアップが明らかでした。おそらく審査員の先生方も採点に苦慮されたことと思います。その中で、秋田県立医療養育センター尾野祐一先生が、見事受賞を勝ち取りました。おめでとうございます。

特別講演1では、佐賀大学整形外科教授 馬渡正明先生より股関節外科の現状と展望として股関節疾患の診断、治療、評価、また教育について分かりやすくご講演賜りました。寛骨臼移動術では、重度の症例には同種骨移植を併用すること、女性の出産に影響しないように内板は切らないようにすること、他にもたくさんの手術のポイントを分かりやすく解説していただきました。またTHAにおける銀HAコーティングインプラントや3Dプリンターの使用、VICONによる歩行解析など新たなご研究についても解説され、大変勉強になりました。

特別講演2では、九州大学整形外科教授 岩本幸英先生より整形外科の歴史と将来展望についてご講演賜りました。日本の整形外科は1906年に東京大学(東京帝国大学医科大学)で田代義徳先生のもと開講され、Orthopädieに相当する日本語として「整形外科」が正式名称となりました。1926年には日本整形外科学会が設立され、現在では会員数23,000人を超える大規模な学会となっています。ご講演のスライドには、現在使用されている機器の原型となるものや、神中正一先生が著された教科書の原画など当時の非常に興味深い写真の数々を拝見できました。当時の日本は戦争の最中にあり、その中で外傷学が発展してきたこと、当時は結核、ポリオなど感染に関する疾患が重要でしたが、化学療法やワクチンの進歩によりこれらはほとんど見られなくなり、現在では平均寿命の延長に伴い、骨粗鬆症や変性疾患などの重要性がますます高まっていることなど、時代の移り変わりを感じました。また個人的にはこれまで腰椎椎間板ヘルニアは腫瘍と考えられていたこと、もともと内科で治療されていたものが、1932年に東 陽一先生による手術が報告されてから整形外科で治療される疾患となったこと、側弯症の治療の歴史がとても印象的でした。

最後になりますが、Amazonで神中整形外科学上下巻69,120円です。是非購入して、勉強しましょう。

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201510月第62回県医会

第42回日本股関節学会(木島泰明)

2015年10月30日から31日の2日間、グランフロント大阪にて、第42回日本股関節学会学術集会が開催されました。秋田からは、Akita Hip Research Groupの山田晋会長、小西奈津雄副会長、久保田均副会長、そして、谷貴行先生、鈴木紀夫先生、加茂啓志先生、木島の計7名が参加致しました。

学会長は、先日の秋田県股関節研究会の特別講演をして頂いた大阪大学の菅野伸彦会長です。今回のテーマは「股関節外科医のあるべき姿」。学会の公式ポスターを見てもわかる通り、股関節外科医の治療のターゲットは、小児股関節を含む発育性股関節形成不全やそれに伴う変形性股関節症だけでなく、大腿骨近位部骨折や寛骨臼骨折、そして大腿骨頭壊死や股関節唇損傷など多岐に渡り、それらに対する外科治療の方法として人工関節や骨接合、骨盤骨切り術だけでなく、股関節鏡手術も股関節外科医には求められおり、これらに対する基礎的・臨床的研究のディスカッションを通して、すべての股関節の痛みや機能障害で悩んでいる患者さんに対する最善の治療法を見出していこうという熱意が感じられるプログラムとなっております。

先ほど、Akita Hip Research Groupを代表して、小西副会長が人工股関節置換術の難症例というセッションでご発表されました。加茂先生や私も関わらせていただいた非常に治療の難しいケースを提示されることで、秋田だけでなく全国の股関節外科医の明日からの治療に役立つ貴重な情報を会場の先生方に届けて下さいました。

股関節学会では毎年、ドクターだけでなく、ナースやフィジカルセラピストの発表の場も設けられており、今年は学会に来られなかった田澤浩vice-directorの手術をリハビリの観点から解析された秋田赤十字病院リハビリテーション科の齋藤真紀子PTのご発表もございました。

我々の研究成果を発表するだけでなく、全国の先生方のいろいろな考え方に触れることで、秋田の股関節疾患の患者さんにとって有用な情報を少しでも多く還元できるような学会参加になるよう、残りの期間も、参加者一同、勉強してきたいと思います。

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第30回日本整形外科基礎学術集会 (佐藤千恵)

2015年10月22日23日の両日に、第30回日本整形外科基礎学術集会が富山市で開かれました。秋田大学からは松永准教授、工藤先生、大内先生、藤井先生、望先生と佐藤の6演題の発表がありました。また、宮腰准教授はシンポジウム、特別講演、座長など、多くの場面で骨粗鬆症研究のトップランナーとして発表されていて、下につかせて頂いている大学院生としてとても誇らしく思いました。少しでもA-BONEへの恩返しができるよう、努力をしていこうと感じた次第でした。私は、日頃の基礎研究の成果を発表してきたわけですが、視点を変えたご質問などを頂くと、また新たな研究のヒントを得ることができ、とてもよい機会になりました。その他、膝関節の軟骨代謝に関する研究などを拝聴し、大変有意義な時間を過ごすことができました。日々研究のご指導頂いております島田教授、宮腰准教授、粕川講師、A-BONEメンバーの皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

さて、学会会場は富山城の真向かいという素晴らしいロケーション。街中をトラムが走る、とても風情のある町並み。初日の夜は、准教授お二方を囲んでの懇親会で、富山湾の豊富な海鮮物で舌鼓をうち、おいしい地酒を頂きながら准教授の学生時代のお話などを楽しく伺いました。

それから、学会前夜、工藤先生は以前研修に行かれていた総合脊損センターの先生方と遭遇され、あっという間にその輪へ溶け込まれていらっしゃっていました。さすが!全国どこに行っても人気者の工藤先生です。

私事ですがASBMR前から跛行がなかなか治りません。ただ今回は、珍しく(?)スポーツ大会参加のない学会で、穏やかに帰秋致します。

再び気を引き締めて精進して参りたいと存じますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

佐藤千恵