平成28年6月29日に秋田ビューホテルで秋田県抗RANKL抗体フォーラムが開催されました。
特別講演Ⅰは、秋田大学整形外科学講座の宮腰尚久准教授から「リウマチ疾患と骨粗鬆症」についての講演でした。関節リウマチと骨粗鬆症が関連するメカニズムの解説から、AORA(秋田整形外科リウマチグループ)の現状の報告、GIO(ステロイド性骨粗鬆症)の診断基準と治療、また、関節リウマチに伴う脊椎疾患への手術方法の紹介などについて講演していただきました。宮腰准教授ご自身が行われた基礎研究や、上位頸椎へのScrewの刺入方法など分かりやすく解説していただき、座長の斎藤晴樹先生から「宮腰マジック」と称されるほど、大変勉強になる講演でした。
特別講演Ⅱは三重大学運動器外科学・腫瘍集学治療学の須藤啓広教授から「最新のエビデンスから考える骨粗鬆症治療薬の使い分け」についての講演でした。大腿骨近位部骨折後や椎体骨折後の薬物選択基準、脆弱骨折のない骨粗鬆症患者へ骨折予防のための薬物治療、骨粗鬆症治療時の目標、目標に達しない場合の対応、ビスフォスフォネート投薬時のdrug holidayの基準など、多岐にわたり、最新の論文や須藤教授らのグループのデータをふまえ、分かりやすく解説していただきました。薬剤ごとの骨癒合率や、患者の状態ごとにどの治療薬を選択すべきかを提示していただき、こちらも大変勉強になる講演でした
お二人のご講演はどちらもすぐに臨床現場で活かせる内容ばかりであり、高齢者、骨粗鬆症患者の多い秋田県で整形外科として診療にあたるわれわれにとって、大変身になるものでした。今回得た知識を早速、普段の外来で活かしていきたいと思います。