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第35回日本骨形態計測学会 若手研究者賞受賞報告記  (藤井 昌)

2015年6月4日〜6日、岡山県倉敷市で、川崎医科大学放射線医学教授・曽根照喜先生主催のもと、第35回日本骨形態計測学会が開催されました。本学会は、昭和54年に第1回骨形態計測ワークショップが開催されたことに始まり、現在では骨代謝学からバイオメカニクスなどの多岐にわたる分野において、最先端のディスカッションが行われています。

今回、自分の学位論文のテーマである、「ビタミンC欠乏ODSラットにおけるビタミンCとテリパラチドの骨密度改善効果」の演題で、若手研究者賞をいただくことができました。この演題の要旨は、「ビタミンC欠乏による酸化ストレス下の骨粗鬆症に対し、ミノドロネート単独投与では骨密度、骨強度を改善しなかった(瀬川先生の先行研究)のに対し、テリパラチドはビタミンC補充の有無に関わらず骨密度を増加させた」、「その背景には、テリパラチドによる骨芽細胞機能改善効果や抗酸化剤的効果の関連が推察された」というものです。骨代謝学や基礎研究分野においてまだまだ未熟な自分が、このような賞をいただくことができたのは、島田教授、宮腰准教授、粕川講師を初めとした先生方のご指導あってのことと思います。この場をお借りして深謝いたします。

また、ランチョンセミナーでは宮腰准教授が「運動器疾患としての骨粗鬆症の予防と治療」を、イブニングセミナーでは粕川講師が「脆弱性を伴った骨疾患に対するテリパラチド治療」をご発表され、マニアを唸らす内容で大きな注目を集めていらっしゃいました。さらに一般演題では野坂先生、土江先生、大内先生が、基礎、臨床にわたる素晴らしいご発表をされました。宮腰准教授を中心としたA-BONEの勢いを全国に知らしめることができたと確信するとともに、このチームの一員であることに非常に光栄な思いです。

今後もまた、このような賞をいただけるよう、精進する所存です。今後ともご指導なにとぞよろしくお願い申しあげます。

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留学便り11 (木島泰明)

パリからオランダのアムステルダムまでは約430km。東京から秋田県南までとほぼ同じだが、ヨーロッパの高速道路の制限速度はだいたい130km/時だから、4-5時間もあれば着くだろう。朝9時に出ればホテルチェックインの15時までには着きそうだ、という予想は、妻的には案の定だったらしいのだが、完全に外れた。レンタカーはモンパルナス駅でのピックアップで予約してある。ポルト・ドゥ・ヴェルサイユのアパルトマンからモンパルナスまではメトロ12番線の1本で行けるために選び、rentalcars.comで予約したその会社Citer は駅からは意外に遠かった。フランスに来て最もお世話になっているアプリの一つで、iPhoneにプレインストールされている地図アプリにCiter モンパルナス店の住所を入力して歩く。着いてからの手続きがまた長い。保険やらデポジットやらチャイルドシートやら、もちろん必要な手続きなのだが、今回の旅行の目的を、知ってはいても理解してはいない妻や、知りもしない虎太郎にとっては、早起きさせられた挙句にここで待たされるのは苦行でしかない、という様子だ。
「なんでアムステルダムなの?」
「せっかくだから、あれやってみたいでしょ、ヨーロッパ21ヶ国完全制覇!」
「水曜どうでしょう?
そんなのは、どだい無理でしょう? だいたい21ヶ国しかないはずないし」

 

EUの、特にシェンゲン協定条約締結国間の移動にはパスポートコントロールがいらない。それならば、国境を陸路で自分で運転して通過してみたい、できれば、なるべく多くの国を「通過」してみたいという目標のもと、今回はベルギーを通過し、オランダを目指すことにした。

ベルギーと言えば、ワッフルの他に思いつくのは、首都ブリュッセルにある世界三大がっかり名所の一つ、小便小僧だろう。例の地図アプリで小便小僧と入力すると見事にブリュッセルの小僧にヒットする。これをカーナビ代わりにパリを出発。今回はオートマ車をリクエストしたところ、ラッキーなことに、ほとんど新車と言ってもいいくらいのトヨタプリウスが配車された。手続きに手間取り、結局10時過ぎにパリを出発したため、市街地を抜けて高速に入ったところで渋滞に巻き込まれる。パリから北へ向かうにはシャルルドゴール空港へ向かうためのこの道を通ることになり、この時間の渋滞は必至だ。

結局ブリュッセルで高速を降りたものの、トラムやら一方通行やらに阻まれて小便小僧にはたどり着けず、高速のサービスエリアでワッフルを買っただけで、そのままベルギーは「通過」し、アムステルダムへ急ぐことに。それでもホテル・オークラ・アムステルダムに着いたときには18時を回っていた。が、妻が自ら選んだランクの高いその部屋がパリのアパルトマンに比べてあまりに快適なために妻も虎太郎も機嫌がいい。ホテルそのものもとても快適でプールにジャグジーもあり、日本食レストランもある。我々はジャグジーで暖まった後に、ホテルの外にある日本食の居酒屋風の店で夕食。久々においしい唐揚げも食べられ、広いベッドでゆっくり休む。

オランダの首都アムステルダムは、運河沿いに立ち並ぶ建築群の美しさが有名な水の都。翌日はゆっくり運河沿いを歩きながら国立美術館まで行き、有名なフェルメールの「牛乳を注ぐ女」を見た後、ダム広場、王宮を経て、ゴッホ美術館で「ひまわり」を堪能。まだオランダのチューリップには早い時期で寒かったものの天気はよく、コンセルト・ヘボウの隣の公園も綺麗だ。昼食はアンネ・フランクの家の隣のカフェで取ったものの、夜はまた「居酒屋」で夕食、翌日のドライブに備える。

帰りは朝早めに出たものの、途中、「ミッフィーちゃん」の作者のふるさと・ユトレヒトにあるミッフィー美術館などに寄ったものだから、パリ・モンパルナスのCiterに着いたのは20時近く。17時に返却予定だったため、追加料金を取られたうえ、メトロで狭いわが家へ。でも、これでフランスを含め3か国制覇だ。

ということで、2回目の小旅行では、前日夜から車を借り、帰宅翌日に返す日程とすることで出発もスムーズで、まっすぐ家に戻れる。今度はルクセンブルグを通過してドイツのケルンに向かったものの、結局、距離はアムステルダムより若干短いのみで、時間は同じくらいかかった上、天気も悪く、ケルン大聖堂の目の前のホテル-エクセルシオール・ケルンの部屋からは大聖堂は見えず、妻のケルンに対するイメージは「カタストロフィック」だ(フランス人は「最悪~」みたいなときに時々カタストロフという単語を使う)。一方、虎太郎はドイツで、大好きなジク社のミニカーをたくさん買ってもらったせいで今でもドイツが大好きだ。創業以来、世界中の子どもから大人までを魅了し続けているsiku(ジク)社。 1921年に自動車産業国のドイツで生まれ、今では世界100カ国以上へ輸出しているヨーロッパのトップブランド。ルクセンブルクは隣のドイツよりもガソリン価格が平均20パーセントも割安なことから、週末に車を満タンにするためにルクセンブルグに出かけ、ついでに同じように安いコーヒーやタバコを買っていくドイツ人が多いらしい。我々もガソリンを入れて、もちろんタバコは買わずに「通過」した。

これで5か国制覇したものの、パリからの小旅行としてイギリスは外せない。しかし、イギリスはシェンゲン協定に入っていないため、滞在許可証のある我々大人は良いが滞在許可証のない虎太郎が、90日以上のフランス滞在を理由にパスポートコントロールで再入国できないと困る(虎太郎もビジタービザは持っているものの、滞在許可証の制度は未成年には適応されず、その代りとなるDCEMカードも両親のフランス滞在が半年を超えないと申請できない)。OFII(移民局)からの「未成年者は滞在許可証制度がありません」という書簡を持っていればOKかもしれないが、面倒なことになるよりは、ということでパリからの小旅行の最後はモン・サン・ミシェルに。

モン・サン・ミシェルはパリから車でちゃんと4-5時間で到達できる。今回もモン・サン・ミシェルに最も近いホテル、ル・ルレ・サン・ミシェルを確保。モン・サン・ミシェルはご存知の通り、満潮になると周りを海に囲まれる。モン・サン・ミシェルへの堤防道路は1870年代に設置されたが、次第に土砂の堆積が進み、海に囲まれた修道院が見られなくなってしまったことから、潮の流れをせき止めにくい新たな橋の建設が始まり、つい最近完成した。堤防道路の撤去作業は今も続いており、2015年夏ごろに完了する予定とのこと。モン・サン・ミシェル保全地域は基本的に車の乗り入れは禁止されているが、我々のホテル、ル・ルレ・サン・ミシェルは保全地域内にあるため、チェックインの前日に保全地域に車で入るためのコードナンバーをメールで聞いておく。こうすることでモン・サン・ミシェルへの新しい橋の袂にあり、部屋から大きくモン・サン・ミシェルが見られるル・ルレ・サン・ミシェルまで車で行ける。ダブルルーム-デラックス(バスタブ付き)からの眺めはこんな感じ↓。ヨーロッパ21か国完全制覇は無理でも過半数の11か国制覇まであと6か国。

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↑左が部屋からのMont Saint-Michel。右上が水に囲まれるところ。大潮の日がお薦め。Mont Saint-Michelの中も綺麗です。

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↑左の2枚はアムステルダム。右は、なんとなくかわいい高速道路脇のフランスの電柱?

写真3

↑とにかく大きいケルン大聖堂とドイツのソーセージ。

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↑ミッフィーの故郷ユトレヒトには、1つだけミッフィーちゃん信号とレインボー横断歩道があります。

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フランスの高速道路会社はSANEF。無料区間と有料区間があります。

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Mont Saint-Michelの帰りに立ち寄った、ジベルニーにあるモネの家。ここもとても綺麗です。パリからだとおよそ1時間で行けます。

 

ということで今回はパリから行ける小旅行情報でしたが、現在、我々はリヨンに滞在しています。リヨンでは今、国際関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会ISAKOS2015が開催中で、秋田からも5名の整形外科医が参加されています(昨日は日本のお土産をたくさんいただいてしまいました!)。この学会の模様やリヨンのレポート、あるいはリヨンから行ける小旅行情報などもいずれお伝えしたいと思いますが、そろそろ我々も帰国準備です。ということで、留学便りは帰国後も続きそうです。

 

そして、次回はNogier先生のTHA情報の予定です。

お楽しみに!

 

CSRS European section, 31th annual meeting in London (鈴木真純)

5/26〜5/28にかけてイギリスの大英博物館にて開催されました、国際頚椎学会ヨーロッパセクションに参加させて頂きましたのでご報告します。

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ことの始まりはある日のASG カンファランスの終了間際に、若手の海外学会への積極的参加の話題の時でした。教授の「みんなのロンドン」というお言葉とともに上記学会参加が決定しました。参加メンバーは、秋田厚生医療センターの小林孝先生、秋田大学の石川慶紀先生、木村竜太先生、そして秋田労災病院より佐藤千晶先生の5人での参加となりました。

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5/26早朝より秋田を発ちましたが、飛行機の準備遅れのため現地で同日行われましたwelcome receptionには参加することができず、翌日の本会からのスタートとなりました。会場はロンドンの大英博物館(ナイトミュージアムという映画の舞台にもなっています)の講堂のような一室とその周辺のフロアを貸し切る形で開催しておりました。形式としては、各セッションのテーマに沿ってoral presentation があり、それに対して質疑応答を行う、という流れが基本のようでした。もちろんそれだけではなく、各国の著名な先生3人が round tableというセッションでそれぞれのケースプレゼンテーションを交えた発表とディベートは(ほぼ自分は着いていけておりませんでしたが)圧巻でした。特に、「Learning from others mistakes」というテーマでは頸椎術後に陥ることのあるピットフォールと、それに対する対処を実際の症例を中心にレクチャーするというもので、まさに失敗から学ぶことの方が多いということが良く分かりました。その他印象に残ったのは術式選択の違いです。国が違えば当然と言われれば当然ですが、日本であれば椎弓形成を選択することが多いであろう症例が、当然の如く前方固定であったり、後方除圧固定適応なのかななんて思っていたら、術後写真では思い切りcorpectomyしてメッシュケージが入っている写真が出てきたりと、まだ自分の経験が浅いこともあって非常に衝撃的でした。

また学会期間中に、秋田でも御講演頂いております、鐙邦芳名誉教授にもお会いすることが出来ました。

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ここからはアカデミックな話ではありませんが、自分のイギリスのイメージとして第一に思いつくのが、「飯がまずい」ということでした。しかし実際は全くそんなことなく、定番のフィッシュアンドチップスからミートパイなどとても美味でした。また、ロンドン市内の建物も歴史的な建造物がほとんどであり、どこを歩いても飽きない素晴らしい町並みでした。海外学会恒例の観光も、ビッグベンからバッキンガム宮殿、ミュージカル、美術館など非常に充実した内容でした。

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最後に、このような学会に参加する機会を与えてくださった島田教授、宮腰准教授に改めて深く御礼申し上げます。また、引率してくださった小林孝先生、石川慶紀先生にも改めて御礼申し上げます。この学会で受けた刺激を今後に生かしてゆきたいと思います。

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第52回日本リハビリテーション医学会学術集会(佐々木研)

第52回日本リハビリテーション医学会学術集会が5月28日(木)~5月30日(土)新潟市の朱鷺(とき)メッセにおいて開催され,秋田大学からは教授のランチョンセミナーを含め10題の演題発表がありました.

 

リハ学会は整形外科あるいは医師に限らず,他科の先生やコメディカルの発表を聞くことができる貴重な機会となっています.

 

大学院生の基礎研究についての発表や,松永准教授,竹島先生の臨床的な演題については,興味深い内容で,会場での質疑も大変盛り上がっていました.

 

教授のランチョンセミナーでは,ロボットリハビリテーションの未来についてなど,非常に先進的な内容の御講演で,会場の聴衆を圧倒していました.

 

来年は京都でリハ学会が開催されます.

 

次回も秋田より多数の演題発表があることと思います.

 

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