第9回日本運動器疼痛学会 (工藤大輔)

平成28年11月26日・27日の日程で御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて第9回運動器疼痛学会(大会長:東京慈恵会医科大学附属病院 ペインクリニック診療部長 北原雅樹先生)が行われました。今回、秋田大学からは粕川雄司講師、鈴木真純先生と私の3人で参加してまいりました。今大会では登録演題数が過去最高の160演題を超えたようで、各会場とも多くの参加者でいっぱいで活発な意見交換がされていました。

粕川講師は「ロコモティブシンドロームが高齢者のQuality of lifeと腰痛に及ぼす影響」について、私は「農村部在住中高年者における脊柱-骨盤-下肢アライメントと筋力がQOL、腰痛に与える影響」について発表させていただきました。本研究では本邦一の高齢化県である秋田県の中でも特に高齢化が進んでいる地域を対象としており、今後も高齢化につれて増えると考えられる腰痛をはじめとする慢性疼痛や高齢者のQOL低下の対策を講じるうえでの一助になればと思います。また鈴木先生からは大学院で研究されている内容をご発表いただきました。

一般口演、セミナーなどいずれも興味深い内容がたくさんあり、精神・心理面と疼痛の関連の重要性を再認識させられました。また個人的には先日秋田へご講演に来られた千葉大学折田先生のご発表も大変興味深いものでした。以前より私も疼痛評価ツールの一つとしてpainDETECTを使用しておりましたが、脊椎外科疾患の実臨床で使用するのにそぐわない印象があり、折田先生のご発表を拝聴して大変勉強になりました。

整形外科に来られる患者さんの多くは「痛み」を主訴に受診されますが、今後も痛みに関する研究を続け、また新しい知見を本学会で紹介または吸収できればと思います。img_5542