H29年2月25日に第10回秋田県運動器リハビリテーション研究会が開催されました。
講演1として湯沢医院の那波康隆先生より「ロコアテープ使用経験からの考察」、秋田大学の益谷法光先生より「動的座位バランス装置を用いた若年者と高齢者の体幹バランス評価」、秋田県立医療療育センターの湯浅悠介先生より「小児運動器疾患の治療経験(運動器の命令系統からの検討)」、木村より「中枢神経術後例に対する歩行練習アシストGEAR」と様々な専門分野から発表がありました。
特別講演は、東京慈恵医科大学リハビリテーション医学講座主任教授の安保雅博先生から「脳卒中後遺症である上肢麻痺に対する経頭蓋磁気刺激療法〜自験例から」と題してご講演いただきました。
安保教授が厳しい過去から作り上げられたという教室の歴史から、世界最先端の治療NEURO(rTMS:反復性経頭蓋刺激治療+集中リハ)の素晴らしい臨床成績、患者さんの驚くほどの変化、基礎実験に裏付けされた効果まで、余すところなくご紹介いただきました。
これまで脳卒中など中枢神経性麻痺疾患は一定期間を過ぎると改善しないというのが定説でしたが、近年ニューロリハビリテーションという考え方から、それが覆されています。安保教授のご講演を聞き、改めて人間の持っている底力を、我々医療者はまだまだ引き出すことができると実感しました。秋田大学でもrTMSを用いた研究を行っております。ぜひ秋田からもTMSによる臨床効果を発信していきたいです。