第50回秋田県脊椎脊髄病研究会 (粕川雄司)

2015年3月7日土曜日 秋田市にぎわい交流館AU

2015年3月7日土曜日第50回秋田県脊椎脊髄病研究会が,にぎわい交流館AUで開催されました.50回を記念して会のオープニングにあたり,工藤大輔先生と鈴木真純先生から50回記念映像を披露していただきました.

特別講演1は,浜松医科大学整形外科学 教授 松山幸弘先生より「高齢者脊柱変形矯正術-何を目指すのか?-」と題して御講演いただきました.近年,高齢化がすすみ脊柱変形に対する治療として変形矯正術が行われるようになっています.御講演では,数多くの矯正手術症例を御提示いただきながら,手術治療戦略について世界の趨勢から浜松医科大学での方針などについて詳細にお話しいただきました.秋田県でも高齢者の脊柱変形に対する手術が行われており,参加者にとって大変有意義で勉強になる御講演でした.

続いて,「脊椎脊髄外科10年の進歩」のシンポジウムを行いました.当番幹事の宮腰尚久准教授が座長で,Akita Spine Group (ASG)で活躍されている6名の先生方にシンポジストとして御講演いただきました。秋田厚生医療センターの小林 孝先生に腰椎後方進入椎体間固定術(PLIF)について,秋田厚生医療センターの阿部利樹先生に成人脊柱変形について,秋田赤十字病院の鈴木哲哉先生に骨粗鬆症性椎体圧潰について,秋田大学の本郷道生講師に脊柱側弯症について,秋田大学の石川慶紀先生に頚椎手術について,秋田労災病院の木戸忠人先生に脊髄手術について,それぞれの手術の詳細や秋田における手術の変遷などについて御講演いただきました.さまざまな治療・手術法の歴史と詳細を勉強する大変よい機会となりました.

秋田厚生医療センター 病院長 阿部栄二先生より,「秋田県における脊椎脊髄外科の歴史」と題して基調講演をいただきました.座長の秋田労災病院第二整形外科 部長 奥山幸一郎先生から,労災病院で阿部栄二先生が行った伝説の手術の術記事をご紹介いただきました.阿部栄二先生がゼロからはじめられた秋田県における脊椎脊髄外科治療の歴史,その当時の先生のお考えや,新たな手術を数多く取り入れられ、さらにその手術を発展させてこられた技術や行動力など,若い先生方にとっても大変刺激になる御講演でした.今後,脊椎疾患の治療・手術に際し,ますます勉強してしっかり仕事をしていかなくてはいけないと改めて感じました.

最後に,医療法人元氣会 札幌整形外科 副院長 鐙 邦芳先生より「頚椎変形の矯正手術」と題した特別講演をいただきました.日本だけではなく世界の非常に難治な頚椎変形に対する手術治療について,数多くの御経験をお話し頂きました.普段なかなか経験することがない頚椎変形の治療を,世界にまで発展された先生のお仕事に大変感銘を受けました.頚椎手術で世界でも御高名な鐙 邦芳先生の御講演を拝聴することができ,大変有意義でした.

1994年第1回の秋田県脊椎外科懇話会が開催され,それから20年が経過して今回第50回の研究会が開催されました.その間,御講演いただきました数多くの先生方,サポート頂きました数多くの方々,誠にありがとうございました.また,当日ご参加いただいた先生方,ありがとうございました.今後,秋田県脊椎脊髄外科研究会とASGがますます発展できるように頑張っていきたいと思います.DSC00039 (1024x681) DSC00088 (2) (1024x684) DSC00115 (2) (1024x684) DSC00126 (2) (1024x684) DSC00149 (2) (1024x684) DSC00155 (2) (1024x684) DSC00162 (2) (1024x684)

粕川雄司