第44回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会(岡本憲人)

2023年2月4日仙台市において第44回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会が開催されました。本研究会は今回から秋田大学整形外科が事務局を務めています。

昨年は完全web開催でしたが、今年はハイブリッド開催となり、100名近くの参加がありました。秋田からは、宮腰尚久教授、粕川雄司先生、野坂光司先生、土江博幸先生、尾野祐一先生、笠間史仁先生、岡本が現地参加致しました。現地はサブ会場まで参加者が溢れる状態で、本研究会の勢いを強く感じました。

一般演題では、秋田労災病院の奥山幸一郎先生、秋田赤十字病院の尾野祐一先生、秋田大学の粕川雄司先生、野坂光司先生、笠間史仁先生、岡本が同門から発表致しました。本研究会は非常に質疑応答が活発であり、とても有意義な研究会となりました。また、整形外科医だけでなく、複数の科の先生が参加されているため、演題の内容も多岐にわたっており、様々な角度から骨代謝・骨粗鬆症を勉強することができました。今後の研究の参考にしたいと思います。

宮腰尚久教授はミニレクチャーを担当され、「骨粗鬆症性椎体骨折―読影のポイントと鑑別診断―」と題し、増加傾向にある骨粗鬆症性椎体骨折について講演されました。椎体骨折を診た時に考慮すべき鑑別疾患を、画像所見や臨床所見などを踏まえて解説いただき、整形外科医だけでなく、内科の先生においても非常に勉強になるご講演であったと思います。

特別講演は北海道大学大学院歯学研究院口腔健康科学分野硬組織発生生物学教室教授の網塚憲生先生より「骨形成を促進する骨粗鬆症治療薬の細胞・組織メカニズム」についてご講演いただきました。テリパラチド、アバロパラチド、ロモソズマブのそれぞれの骨に対する作用の違いなど非常に興味深く拝聴致しました。

また、一般演題基礎部門において岡本の「アデニン誘発性慢性腎臓病モデルラットにおける骨格筋萎縮の経時的変化」、一般演題臨床部門においては尾野祐一先生の「閉経後骨粗鬆症患者における生体電気インピーダンス法の位相角とQOLの関係」がそれぞれ優秀演題賞を受賞致しました。本会のように歴史ある研究会で受賞できたことを非常に嬉しく思います。引き続き秋田から骨代謝に関する研究を発信できるよう研究を続けてまいります。今後ともご指導の程宜しくお願い致します。