抗RANKL抗体フォーラム in Akita(尾野祐一)

平成29年11月1日、秋田ビューホテルで抗RANKL抗体フォーラムin Akitaが開催されました。特別講演1は秋田大学整形外科の宮腰尚久准教授から「骨粗鬆症患者の転倒・骨折予防と医療安全」についてのご講演でした。転倒・骨折の疫学から、骨粗鬆症と転倒との関係、転倒予防のための運動療法のエビデンス、入院患者の転倒・骨折予防対策に至るまで、過去の論文や秋田大整形外科グループの研究を交えて、詳細にご講演いただきました。我々整形外科医は、骨折予防のために骨粗鬆症の薬物治療を普段の外来で行っていますが、転倒予防に関しては、歩行能力の著しく低下した人にどうやって筋力を増やすかなど、まだまだ課題が多く、高齢者の多い秋田県において、今後も取り組むべきであると再認識しました。

特別講演2は近畿大学整形外科・リウマチ科の宗圓聡教授の「骨粗鬆症の薬物療法に関する最新の話題」というタイトルのご講演でした。骨粗鬆症治療に用いている薬のガイドラインにおけるそれぞれの推奨度や、デノスマブ、テリパラチド、ビスホスホネート製剤の腰椎・大腿骨骨密度へ及ぼす影響の違い、顎骨壊死を意識したデノスマブの休薬の要否、骨粗鬆症治療の目指すべきゴールなど、すぐにでも臨床で使えるような事柄ばかりで大変勉強になりました。長期followしている骨粗鬆症患者の治療薬の選択については、悩むことも多く、本日得た知識を参考に、臨床へ活かしていければと思います。