4月16日から18日までの3日間の会期で第44回日本脊椎脊髄病学会学術集会 (会長:山口大学整形外科 田口敏彦教授)が開催されました。今回の学会の参加者数は約2300名で、応募演題数は1509題で過去最大となりました。採択率は70%で、約1000題のペーパーが採用されました。Akita Spine Group (ASG) からは23題の演題が採用され、これも過去最大となっており、2年後2017年の秋田主催の本会に対する強い意気込みが感じられました。
今回は2年後の本会の主催に備え、前日入りし、会場の視察なども行いました。会場毎に担当を決め、会場の設置状況、料理、ドリンク、ネット接続状況など細かい部分まで入念なチェックを行いました。開会式では、国歌斉唱の後、安倍晋三総理のビデオレターが上映され、成人の約2割が腰痛や肩こりの症状を有しており、本会の活発な議論、さらなる発展、研究の進歩を期待しているとの激励のメッセージをいただきました。トピックはPPSやXLIF/OLIF、内視鏡などの低侵襲手術、成人脊柱変形、慢性疼痛の治療、評価法、骨粗鬆症などの他、脊髄再生に関する最新の研究成果が報告されていました。中でもランチョンセミナーで札幌医大山下教授がご講演された自家骨髄間葉系幹細胞を用いた脊髄損傷の治療効果について、2名の患者さんの動画が流れるとFrankel AがいずれもCに改善しており、非常に感激いたしました。治験の患者選択基準の年齢上限が65歳から70歳に引き上げられ、また労災による受傷も適応になったとのことで、早期の一般臨床への承認を願うばかりです。
秋田の演題は、手術に関する研究のみならず、側弯検診や脊損患者の自律神経評価などオリジナリティの高い演題が発表され、秋田をアピールできたものと思います。またASGメンバーだけでなく、河野哲也先生、赤川 学先生の化膿性脊椎炎についての演題が採用され、最近の若手の先生方の活躍も光っていました。
最後に、2年後に札幌で開催される秋田主催の本会の成功を目指し、大学だけでなく、関連病院も一丸となって取り組んでいきたいと思います。
工藤大輔