タイPongsthorn Chanplakorn先生手術見学 (工藤大輔)

11月15日Ramathibodi Hospital, Mahidol Universityよりポン先生が来日され、11月16日から20日の間、秋田大学、秋田厚生医療センター、秋田赤十字病院で脊椎外科の研修をされました。Mahidol Universityはタイでも1,2を争う大学でアジア大学ランキングにもランクインしています。タイでも近年、高齢者の手術が増加し、高齢者脊椎手術に伴う手術難易度、合併症の問題があり、その勉強のため秋田まで研修に来ていただきました。期間中、XLIFを用いた前後合併手術や、内視鏡手術、頚椎椎弓形成術など様々な症例を見学していただきました。タイでもXLIFなどの側方アプローチ手術はあるようですが、患者さんが負担する費用が高額となるため、あまり行っていないとのことでした。また同様の理由で骨粗鬆症患者さんに対するテリパラチドの使用も、症例をかなり限定して使用し、側弯症手術でも全椎体にスクリューを挿入することはせず、矯正と費用のバランスを考えて手術をされているとのことでした。日本とタイの医療経済に関する違いを感じました。また頚髄症に対する手術も以前は椎弓形成術を行っていたようですが、現在は白石先生の方法で椎弓切除を行っているとのことで、手術法はなんと動画を見て独学とのことです。ポン先生は40歳と比較的若い先生でしたが、Total en bloc spondylectomyや脊索種に対するSacrectomyも行われているとのことで、穏やかな風貌とは裏腹に激しい手術もたくさんされているようでした。

木曜日は朝からケースディスカッションを行い、宮腰准教授からは高齢者骨粗鬆症性椎体圧潰に対する手術術式の変遷や、現在の治療戦略について解説していただき、ポン先生からはTotal en bloc spondylectomyについて解説していただきました。臨床実習中の学生も交え、整形外科疾患のみならず英会話の良い勉強にもなったかと思います。

アフターファイブは、秋田の料理や地酒を楽しんでいただき、特に水曜日のWelcome partyではAkita Spine Groupでポン先生を囲んで交流を深めることができたと思います。タイは羽田空港から約5時間で利便性も良く、今後ますます交流を深め、お互いに研修して技術の向上が図れればと思います。

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