投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

American Society for Bone and Mineral Research 2017 (佐藤千晶)

2017年9月8日から11日まで、米国骨代謝学会がコロラド州デンバーで開催されました。秋田からは粕川雄司先生、赤川学先生、尾野祐一先生、長幡樹先生、湯浅悠介先生、私が参加してきました。

同門からは宮腰尚久准教授、粕川雄司先生、赤川学先生、尾野祐一先生の4演題がポスターの部で通りました。

宮腰准教授はSpinal Alignment, Muscle Strength, and Quality of Life in Postmenopausal Osteoporosis -A Cross sectional Comparative Study with Healthy Volunteers-、粕川先生はIndication for drug holiday among Japanese patients after long-term(more than 5 years) bisphosphonate treatment、赤川先生はEffects of Low-intensity Aerobic Exercise and Activated Vitamin D, Alfacarcidol, on Blood Glucose, Bone, and Muscle in Diabetic Model Rats、尾野先生はEffects of eldecalcitol and ibandronate on bone mineral density, arthritis and muscle atrophy in rats with adjuvant-induced arthritisのタイトルで発表されました。

他の研究者の方たちの発表も見て回ることができ、自分の研究に何が足りないのか、何をすればよいのかなども考えることができました。

再来年自分もこの場で発表できるように一層研究、英会話に邁進しなくてはと心を新たにしました。

学会の合間を縫って、コロラドの歴史、地理についても学んで来ることができました。

米国在住の日本人ガイドさんの運転にてロッキー山脈のMt, Evansに登頂。高山病対策に途中の鉱山歴史博物館などを巡りながら、最終目的地のsummit lakeでは標高3912mと富士山よりも高い地点に到達しました。森林限界より上の荒々しい山肌と高山植物を堪能し、自然の雄大さを感じることができました。また、筋酸素消費量の差でしょうか、尾野先生と自分ははほぼ無症状でしたが、強靭な肉体を持つ赤川先生、長幡先生は口唇チアノーゼを呈しながらしきりに苦しいと言っておられました。

また、食事についてもコロラドを堪能することができました。アメリカでは定番のハンバーガーを皮切りに、アメリカンスタイルのピザ、ソウルフードのデンバーオムレツ。果てはサンダル・デニム・ハーフパンツで来店した私たちを温かく迎えてくれた、本当はドレスコードあったんじゃないかだろうステーキハウス…。地ビールと併せてとても美味しかったです。

ASBMRに参加し、海外学会のレベルを感じ、研究について考えを深めることができたのはもちろん、異国の歴史、文化に触れることで人間的にも成長できたのではないかと思います。このような機会を与えてくださった島田洋一教授、宮腰尚久准教授にはこの場をお借りし、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

第9回秋田県骨代謝エビデンスセミナー(井上純一)

平成29年8月31日第9回秋田県骨代謝エビデンスセミナーが開催されました。

一般演題では、北秋田市民病院の河野先生から詳細な研究データを元に骨折治療におけるアレンドロネートと低出力パルス低周波(LIPUS)の併用の効果と今後の展望についてお話がありました。また、平鹿総合病院の櫻場先生からは関節リウマチの骨粗鬆症リスク、骨折リスクとその予防・治療、その重要性についてお話しをしていただきました。

特別講演では、京都大学の坪山直生教授より、「歩行の科学~骨折予防との関連を含めて~」と題して歩行と転倒、骨折との関連性についてご説明していただき、歩行機能維持の重要性をご教授していただきました。また、腫瘍用人工膝関節置換術後の歩行機能解析や歩行支援ロボットの開発についてもご説明いただき、実臨床現場における様々な歩行機能の維持方法、最新の知見を示していただきました。患者の歩行機能の維持が私たち整形外科医の最大の目標の一つであり、そのために今後もさらなる努力が必要だと感じました。

最後になりましたが、講演をいただきました先生方、ご参加いただきました多くの先生方、この度は本当にありがとうございました。

第7回 秋田・札幌整形外科合同セミナー(粕川雄司)  

2017年8月26日土曜日、札幌のホテルマイステイズプレミア札幌パークにて第7回となる秋田・札幌整形外科合同セミナーが開催されました。7回目となる今回のセミナーも大変有意義なものとなりました。

これまで長距離走を行ってきたスポーツ親善ですが、今回は羊ヶ丘病院 理事長 岡村健司先生の多大な御尽力により早朝5時30分から親善野球試合が開催されました。日整会の野球大会で優勝経験のある札幌医科大学整形外科の野球チームと試合ができることは、大変光栄に感じました。我がノーザンデイモンズは、岡村健司先生に左肩の手術をしていただき、見事復帰を果たした大内賢太郎投手が先発しました。序盤に1点を先制されましたが、要所要所で巧みな投球術・審判術で長打を許さず、また内野・外野とも練習の成果がみられる安定した守備で追加点を与えませんでした。中盤には羊ヶ丘病院から4名のスーパースター選手に助っ人に加わっていただきました。4名の選手が1打席ずつで2点をあげ逆転し、秋田では見たことのないようなスピードと変化球によるピッチングでリードを守って頂きました。最終回、大内賢太郎投手が再登板し奮闘しましたが、1点を返され2対2の同点で試合が終了しました。とても素晴らしい試合となり、早朝からご準備いただいた札幌医大の先生方、羊ヶ丘病院の方々、岡村健司先生に心より感謝申し上げます。また、大内賢太郎投手が最優秀選手に選出されました。おめでとうございます。

午後からのセミナーでは、一般演題として札幌医科大学から「Bi-Cruciate Retaining TKAにおいて前十字靭帯は機能しているか?」岡田葉平先生、「腰椎分離症と脊柱アライメントの関連」家里典之先生、「Dupuytren拘縮に対する酵素注射療法と部分腱膜切除術の治療成績の比較検討」阿久津祐子先生の3題、秋田からは「AORA registryにおける高齢関節リウマチ患者治療の現状」杉村祐介先生、「秋田県における脊髄損傷の動向」工藤大輔先生、「続発性骨粗鬆症による脊椎脆弱性に対するテリパラチド製剤の効果」粕川雄司の3題のがあり、それぞれ活発なディスカッションがありました。続いて、教育研修講演Iは秋田大学の野坂光司先生より「Ilizarova創外固定による難治症例への挑戦」と題し、数多くの難治例に対する治療についてご講演頂きました。講演IIでは札幌医科大学の江森誠人先生より「骨軟部腫瘍に対する治療 -当科における基礎と臨床での挑戦-」というタイトルで、腫瘍に対する治療の基礎研究から、新しい治療の試みとその効果について詳細にご講演頂きました。それぞれの分野で行われている最先端の治療について勉強でき、とても理解が深まりました。

今回も大変すばらしいセミナーとなりました。札幌医科大学および関連病院の先生方、サポートいただきました方々に深謝申し上げます。来年も有意義なセミナーが継続できるように、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

2017年8月26日 秋田札幌整形外科合同セミナー野球(杉村祐介)

2017年8月26日札幌市で、第7回秋田札幌整形外科合同セミナーが開催されました。今年はセミナー早朝に親善野球大会が行われました。球場はなんと羊ケ丘病院の岡村理事長が昨年購入した球場、札幌スタジアムで行いました。外野は芝、フェンスには衝突防止ラバー、さらにはナイター設備まで完備されているとても立派な球場で、心躍らせながら熱戦を繰り広げてきました。

 

【メンバー】

監督 島田洋一教授

1番 阿部和伸(センター)

2番 杉村祐介(サード)

3番 大内賢太郎(ピッチャー)

4番 村田昇平(キャッチャー)

5番 齊藤英知(ファースト)

6番 奥寺良弥(ショート)

7番 嘉川貴之(レフト)

8番 本郷道生(ライト)

9番 河野哲也(セカンド)

粕川雄司、野坂光司、工藤大輔

 

【試合結果】

秋田大学(ノーザンデーモンズ)2 – 2 札幌医科大学

 

岡村審判のジャッジ、羊ケ丘病院からの強力助っ人などかなり秋田びいきの試合にさせて頂きました。大変ありがとうございました。練習の成果もあり、特に守備はいいプレーがたくさんありました。さらに、左肩術後の大内賢太郎先生も強力札幌医大打線をなんとか2失点で耐えてくれました。

今回、試合の企画や準備をして頂いた札幌医大の先生方、早朝から応援に駆けつけてくださった皆様、誠にありがとうございました。

来年の東北整災野球に向け、また頑張っていきましょう!

 

ノーザンデーモンズ主将 杉村祐介

第51回日本側弯症学会に参加して(尾野祐一)

平成29年8月24日~25日に札幌で開催された第51回日本側弯症学会に参加して参りました。秋田からは本郷道生先生、三澤晶子先生、工藤大輔先生、私がポスターで採択され、飯田純平先生が口演で採択されました。本学会は、ポスター・発表スライドは英語で記載するように指定され(発表は日本語でok)、国際学会を意識してか、口演の発表形式は5~8人ずつ発表して、発表者は壇上にならび、最後にまとめて質問を受けるという、日本ではあまり見ないスタイルでした。口演の飯田先生は、普段と異なる雰囲気でさぞ緊張するかと思いきや、今春の日本脊椎脊髄病学会でのシンポジストの経験からか、緊張するそぶりもみせず、「3次元筋骨格モデルによる骨盤傾斜を伴う高齢女性の立位・歩行時の脊椎・骨盤・下肢矢状面アライメント評価」について堂々と発表していました。後輩ながらさすがです!!

学会では、思春期特発性側弯症の手術や評価方法を中心に、側弯症検診のための新たなスクリーニング法、早期発症側弯症の手術方法、成人脊柱変形の病態や疫学・手術法についての演題が多くみられました。思春期側弯症に関しては、自ら外来でfollowする機会がないため、知識がまだ浅く、発表内容も難しく感じましたが、これを機会にもっと勉強していければと感じました。

 

秋田県腰痛セミナー2017(佐藤千晶)

一般演題では、羽後病院の阿部先生から詳細なデーターを元に認知症高齢者の服薬状況の現状、今後の展望について、また、北秋田市民病院の相澤先生からは関節リウマチ患者に生じた化膿性仙腸関節例の一例について診断、治療方法の詳細をお話しいただきました。

特別講演では千葉大学整形外科の大鳥 精司教授より「高齢者腰椎疾患の診断と治療―筋減少、骨粗鬆症の観点から―」という内容でご講演をいただきました。

慢性腰痛診断の歴史,定義から、MRI画像にて神経圧迫,痛みを数値化する最新の研究や診断に渡り、また血中炎症マーカーに注目したバイオ製剤治療法まで広く深く大変貴重なお話しをいただきました。

また、メインテーマである高齢者の筋減少、骨粗鬆症から起きる腰椎疾患について、筋骨のcross talkについてのお話は、個人的に自分の大学院での研究テーマでもあり、興味深く聞かせていただきました。初学者にもとても分かりやすいお話で、高齢者腰痛診療について診療で役立つ知識も得ることができ、大変勉強になりました。

大鳥教授、ご講演いただき誠にありがとうございました。

第2回AORA夏合宿 2017 in 横手(河野哲也)

2017年8月19日 平鹿総合病院講堂にて、昨年の北秋田市民病院開催に次ぐ第2回目のAORA合宿が開催されました。

イントロダクションとして、市立秋田総合病院柏倉先生より、昨年のAORA活動の振り返り、および今後の展望についてお話しがありました。高齢化社会の秋田県では、RA患者さんも必然的にご高齢の患者さんとなります。そのような患者さんに対し、薬物のみでなくリハビリなど色々な角度からアプローチしていくことが重要と感じました。また、5題のミニレクチャーがあり、最新のRAに関する知識の確認、および既知の重要事項の再確認ができたのではないかと思います。私個人としても、「制御性T細胞とRAの関連」について発表させていただきました。学生の頃に使用した教科書には載っていない細胞が現在のトピックスとなっており、知識のアップデートの重要性を痛感しました。会全体としても活発な議論がなされ、実りある合宿だったと実感しています。AORAを全国に発信できるよう努力したいと思います。

甲子園−秋田県代表明桜高校帯同−(木村竜太)

夏の風物詩、甲子園 全国高校野球選手権大会の帯同ドクターとして今年も参加しました。2009年から行っているこの取り組みは、今回の出場校でもある明桜高校が、前回出場したときに始まりました。今年は井上純一先生、赤川学先生、木村でサポートしました。

 

理学療法士の先生2人と、3人1組となり、まず医師が診察、方針を設定、理学療法士がケアを行っています。また野球による障害以外にも、熱中症対策や、内科的疾患などへの対応も行います。

今年は試合日程が後半になり、選手は長期の待機時間になりましたが、幸い帯同期間中に大きな怪我はなく、試合に臨むことできました。

試合結果は残念でしたが、試合後選手から「痛みで走れるか不安でしたが、おかげで全力プレーできました。ありがとうございました。」というとても嬉しいコメントをもらう事ができました。

今後も秋田県のスポーツが盛り上がるよう、メディカルサポートの充実を図ってまいります。

第38回秋田県リハビリテーション研究会(飯田純平)

平成29年8月5日、秋田大学医学部付属病院に新たに完成した本道40周年記念会館講堂で秋田県リハビリテーション研究会が開催されました。

一般演題では秋田県内で活躍するリハビリテーションスタッフや先生方の発表がありました。整形外科医としては普段かかわることが少ない神経変性疾患や脳血管疾患に関する最新の知見や様々な試みなども拝聴することができ、大変勉強になりました。

特別講演では、岡山大学病院総合リハビリテーション部・リハビリテーション科教授の千田益生先生から「周術期のリハビリテーション-岡山大学病院での取り組み-」と題して、ご講演いただきました。千田先生は、幅広い疾患を対象に術前リハに取り組み,さらに術前リハの効果を客観的立場に基づいて示していただきました。また、岡山大学では医師・リハビリスタッフ・薬剤師・看護師・多くのコメディカルが初めから一丸となって周術期リハに取り組んでおり、大変感銘を受けました。

最後となりますが、特別講演をいただきました千田先生、座長の労をいただきました先生方、当日暑い中、参加されました多くの先生方の今後の益々のご盛栄をお祈りしております。この度は大変ありがとうございました。

第2回裏磐梯外傷Ilizarov法セミナー(野坂光司)

7月28~30日,第2回裏磐梯外傷Ilizarov法セミナーが開催され,私は7月29,30日の二日間,行ってまいりました.講演者は松下隆先生,門司順一先生,大関覚先生,寺本司先生,衣笠清人先生,正田悦朗先生,渡部欣忍先生,牧野佳朗先生,最上敦彦先生,竹中信之先生,大塚和孝先生,野澤大輔先生,加藤成隆先生,髙木基之先生,私と,様々な分野から集結いたしました.最新のIlizarov,プレート,髄内釘の,手術手技のコツ,ピットフォール,豆知識など,学会とは違った情報を,ハンズオンを行いながら,実際に学べるスタイルで私自身も大変勉強になりました.同門からは益谷法光先生,湯浅悠介先生が参加し,積極的に質問し,議論に加わっていて,非常に頼もしく感じました.

 

大関教授の『Ilizarov法はノーベル賞に値する発見だと思います』という講演中のお言葉には,全く同感でした.Ilizarov法は,健常部を傷つけることなく,組織再生を行える魔法の技術です.Bone Transportを含む仮骨延長法を必要とする多くの患者さんを,たくさんの地域から紹介いただくようになった今,秋田Ilizarov法グループの若手も,本気でIlizarov法の習得,Microsurgeryの習得をして,新しい扉を開いてほしいと切望しております.