2019年11月9日秋田市文化会館小ホールにて,「整形外科市民公開講座 2019 ロコモティブシンドロームを知ろう!!〜健康寿命は骨で決まる〜」が開催されました.
まず,宮腰尚久准教授より「健康寿命と骨」と題して基調講演をいただきました.健康寿命の定義や,平均寿命に対する健康寿命の差が8〜10年あることについてご紹介いただき,健康寿命延伸の妨げとなる原因としては,骨粗鬆症と関連がある慢性疾患が増加してきており,背中が曲がると負の連鎖が生じるため,最初の1個目の骨折を防ぐことが重要であり,セルフチェックの方法としてarm spanについてもご説明いただきました.また,最新の知見として,高齢になってから運動を始めても,運動経験が豊富なアスリートと同程度に筋肉量が増えるという研究結果をご紹介いただき,聴衆の皆さんにとっても今後の運動へのモチベーションになったのではないかと思います.
続いて,秋田テレビ杉卓弥アナウンサーに総合司会を務めていただき,パネルディスカッションが行われました.コーディネーターを,もりた整形外科医院森田裕己先生,秋田大学整形外科 粕川雄司先生,パネリストとして,秋田赤十字病院 石河紀之先生,大曲厚生医療センター 阿部利樹先生,工藤整形外科医院 工藤透先生,いしがき整形外科クリニック 石垣智先生,中通総合病院 佐々木香奈先生に務めていただきました.会の最初に「ロコモを知っている方は?」と会場の皆様に確認した際,9割以上の方が手を挙げており,意識の高さに驚きました.パネルディスカッションでは,ロコモについて,チェック方法,ロコモの対策等についてご説明いただきました.また,会の途中には実際に現役で運動をしていらっしゃるお二方に登壇いただき,運動を継続する秘訣,健康のために意識していることなどについて,お話いただき,大変盛り上がりました.
2000年から始まった本回は,今回で第25回となります.今後秋田県はさらなる高齢化が予想されます.この市民公開講座が,1人でも多くの方がロコモティブシンドロームを理解され,健康で生き生きとして生活が送れるようなお手伝いとなれば幸いです.最後に,この場をお借りしましてご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます.