平成27年11月21日に「第12回研修医のための整形外科学セミナー」が開催されました。研修医、学生の皆さんに、秋田大学整形外科の若手医師、大学院生が実際どのようなことを行っているのかを知っていただき、ぜひ一緒に働きたいと思ってもらえることを目的に毎年開催しております。
今回は大学院生の赤川学先生、尾野祐一先生、私の3名が発表しました。当日は初期研修医8名、学生10名と多くのご参加をいただき、会場は満員でした。
はじめに尾野先生から、先日参加されたSRS(Scoliosis Research Society, Minneapolis)〜Mayo clinic研修〜ASBMR(American Society for Bone and Mineral Research, Seattle)の米国短期留学について御発表いただきました。当科では若手に海外学会への参加を積極的に促しており,特に大学院生は毎年必ず海外学会へ参加しています。SRSでは教科書に出てくるような偉大なドクターのセミナーで側弯症の治療の歴史を体感され、360度回旋した脊椎など衝撃的な写真をお見せいただきました。Mayo clinicは当科の本郷講師が留学されていました。そのご縁もあり,病院・研究施設を見学され、Dr. Zhaoや実際に留学されている日本の先生方からもお話を伺う機会があり、「大変だけど必ず留学するべき」と激励いただいたそうです。ASBMRは当科から宮腰准教授はじめ計10名が参加し、多くの発表をされました。尾野先生は長期米国滞在による食事への不満を解消し、シアトルを満喫されたようです。
次に、私から運動器の超音波について発表しました。秋田県の整形外科では超音波を診断、治療に積極的に取り入れております。実際の症例として河野先生の肋骨骨折時のエコー像や、自分の足関節捻挫後の足関節不安定性や、急性腰痛時に赤川先生に施行いただいた生理食塩水での筋膜リリースの効果などを提示させていただきました。初期研修医の皆さんにとってエコーは身近な存在だと思います。ぜひ運動器エコーにも積極的に取り組んでいただきたいです。
赤川先生からは動作解析を中心に御発表いただきました。現在取り組んでいる、VICONを用いた変形性膝関節症患者の術前後の動作解析を始め、なかなかとっつきにくいバイオメカニクスについてご説明いただきました。またASAKG(Akita Sports Arthroscopy Knee Group)やノーザンバイソンズ(バスケットボール)の活動もとても輝かしいものでした。ただ途中に出てきた「Male spine motion during coitus」の論文に皆興味を奪われました。
最後にサプライズ特別講演として、秋田大学6年生の原田俊太郎君に発表いただきました。原田君は学生中に早々に入局を決め、今年の東北整形災害外科学会の学生セッションで発表し、見事準優勝を勝ち取られました。その演題「秋田大学整形外科における学生リクルートの現状と成果」では、慢性的な医師不足の中、なぜ当科が入局者を確保できているのか、その現状について説明いただきました。山田研修教育長を中心にしたサポート体制の充実ぶりは、実際に働いている私も実感しております。
その後の懇親会でも研修医、学生の皆さんと交流を深めることができました。ぜひ一緒に働けるのを楽しみにしています。
今後も定期的に開催を予定していおります。ご興味のある研修医、学生の方はぜひご参加ください。