投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

秋田県骨粗鬆症PTH治療記念講演会(河野哲也)

2017年2月2日秋田ビューホテルにて、秋田県骨粗鬆症PTH治療記念講演会が開催されました。

ミニレクチャーでは秋田労災病院 加茂啓志先生より「大腿骨近位部骨折に対するテリパラチドの役割」をご講演いただきました。良好な整復を得られた場合でも、重症骨粗鬆症患者では骨癒合が得られづらい場合もあり、テリパラチドによる骨癒合促進効果、早期除痛効果など、臨床経験に基づくお話をいただきました。

特別講演Ⅰでは、宮腰尚久准教授より「骨粗鬆症性脊椎疾患-注意すべきポイント対策-」をご講演いただきました。椎体骨折の診断・評価方法から保存治療、手術治療にいたるまで、多岐にわたる内容をお話いただきました。中でも、腰椎損傷に引き続くアライメント異常はQOL低下や内科疾患の合併、ひいては寿命にもつながるなど、椎体骨折予防の重要性を改めて痛感しました。

特別講演Ⅱでは、東京大学整形外科 田中栄教授より「骨形成促進薬の位置づけ」をご講演いただきました。同じ骨吸収抑制薬であるビスホスホネートとデノスマブの骨代謝形態の違いから、骨形成促進薬であるテリパラチドの特徴について大変分かりやすく解説していただきました。デノスマブとテリパラチドの併用効果や、新たな骨形成促進薬であるromosozumabについても知識を深めることができました。

2時間ほどの講演会でしたが、本当に沢山の知識を得ることができました。

骨粗鬆症患者さんに対し、より適切な治療を行っていきたいと思います。

第24回秋田県スポーツ医学研究会(赤川学)

2017/02/04、ビューホテルにて第24回秋田県スポーツ医学研究会が開催されました。毎年行われるこの研究会は、秋田県のスポーツ医学に関して、整形外科、内科、そして秋田県体育協会がともに勉強する非常に貴重な会です。

まずはじめに、レクチャーとして嘉川貴之先生(市立大森病院整形外科)、柏倉剛先生(市立秋田総合病院整形外科)、柳澤宗先生(アーク循環器クリニック)、成田琢磨先生(秋田大学内分泌・代謝・老年内科学講座)、小野寺洋平先生(秋田大学付属病院産婦人科)の5名の先生から、明日からすぐに役立つスポーツ医学に関わる講演がありました。中でも小野寺先生の「アスリートの無月経」に関するレクチャーは、日常診療に役立つのみでなく、今後の産婦人科医との連携を深めていく上で非常に貴重なレクチャーでした。

続いて秋田県体育協会の片野裕先生から、「オリンピック競技となった空手道」と題して、特別レクチャーをしていただきました。秋田大学整形外科は、島田洋一教授が空手の元国体選手ということもあり、空手がいかにしてオリンピック競技となったかについて、非常に興味深く拝聴させていただきました。

特別講演1では、産業医科大学整形外科スポーツ関節鏡センターの内田宗志教授から「アスリートの股関節痛の診断と治療戦略」についてご講演いただきました。アスリートの股関節痛について、その概要から診断、鑑別疾患、画像所見、治療方針まで含め、幅広く、しかし詳細な部分まで教えていただきました。非常に濃い内容でしたが、印象的なプレゼンテーションでとても興味深い講演でした。ありがとうございました。

特別講演2では、埼玉医科大学総合医療センタースポーツリハビリテーション科の陶山哲夫教授から「パラスポーツと医師の役割」についてご講演いただきました。陶山先生は日本障害者スポーツ協会の医学委員長も努めており、講演では、われわれが普段あまり診療する機会の少ない障害者スポーツにおいて、選手が困っていること、その医学的原因、そしてそれに対して我々がどのように対応していくべきかを詳細に講演していただきました。ありがとうございました。

今回の研究会は、他分野の講演もあり非常に多岐にわたる内容で、医師としての幅を大きく広げるチャンスをもらった会だったと思います。さっそく明日からの日常診療に活かして頑張っていきたいと思います。

第38回 東北骨代謝・骨粗鬆症研究会(粕川雄司)

2017年2月4日仙台サンプラザにて第38回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会が開催されました.この研究会は,佐藤光三名誉教授が創設メンバーのお一人となっている歴史ある研究会です.今回A-BONEから,宮腰尚久准教授が福島県立医科大学 甲状腺内分泌学 鈴木眞一先生のミニレクチャーの座長をお務めになり,田村康樹先生,堀川 明先生,佐々木寛先生が発表しました.田村康樹先生は「エディロール投与例における血中カルシウムおよびeGFR値の変動と併用薬との関連んついて」,堀川 明先生は「経年的に調査した経口と注射製剤の骨粗鬆症治療薬の使用割合の推移と要因」,佐々木寛先生は「骨粗鬆症患者における血中25(OH)ビタミンD濃度と重心動揺との関係」の発表を行いました.また,秋田労災病院から奥山幸一郎先生が主導している臨床研究の結果について,中央検査部の長岐ゆいさんから「北緯40度地域における勤労者の血中25(OH)D濃度と腰痛およびQOLの関連について」と題した御発表がありました.数多くの素晴らしいご演題の中から,今回堀川 明先生が臨床系の最優秀演題賞を受賞されました.五十嵐記念病院での1000例を超える症例を対象に,経口と注射の骨粗鬆症治療薬の使用割合とその継続率について詳細に検討した内容でした.堀川 明先生,受賞おめでとうございます.

特別講演では帝京大学ちば総合医療センター 第三内科 教授 岡崎 亮先生より「ビタミンDの多面的作用」と題し,近年その様々な効果が知られているビタミンDの基礎から骨やその他各臓器疾患に対する様々な効果についての御講演がありました.ビタミンDの基礎から臨床での効果について大変勉強になりました.

今後も基礎から臨床までの骨・骨粗鬆症についての研究を継続していければと感じました.今後ともよろしくお願い致します.

第27回東北脊椎外科研究会(尾野祐一)

平成29年1月28日、仙台で開催された第27回東北脊椎外科研究会に参加して参りました。今年の主題は「脊椎・脊髄疾患の多数回手術」ということで、治療に難渋し再手術を要したような疾患の検討を中心に、東北の各病院からさまざまな演題が発表されました。秋田からは、秋田労災病院の阿部和伸先生、木戸忠人先生、佐々木寛先生、秋田厚生医療センターの井上純一先生、秋田大学からは鈴木真純先生、そして私が発表しました。主題の演題もさることながら、その他の臨床研究や症例報告もレベルが高く、「硬膜内脱出ヘルニアの診断や画像所見の見方」、「仙腸関節障害に対する新しいブロック方法」、「脊椎術後感染の早期発見のための指標の検討」、「転移性脊椎腫瘍に対する最小侵襲手術の有効性」や「内頸静脈穿刺による椎間孔内誤挿入の一例」(この症例報告が、一日の中で一番のどよめきがあがりました)など、どれも大変興味深い内容ばかりでした。前夜に開催された症例検討会に引き続き活発な議論が開催され、東北の脊椎外科医の勢いを感じました。また、会の途中では昨年のこの会の優秀演題賞が表彰され、同門の木村竜太先生が35歳以下の若手優秀演題賞を受賞されました。おめでとうございます。会では同世代の若手からの発表も多数あり、同じ東北地区で同じ専門領域を志す人たちと交流することもでき、大変良い刺激をうけました。この会で得た知識を日々の診療・研究に活かしていきたいと思います。東北脊椎

Catholic University Medical College(韓国ソウル)よりfellowを迎えて(齊藤英知)

この度、島田洋一教授の御高配によりまして、2017年1月11日〜18日の期間、韓国ソウルのCUMCより若手整形外科医2名を秋田大学に迎えました。Dr. Kim Dong-wookとDr. Kim Man-sooの2名のキム先生です。迎え入れる経緯として、昨年9月4日にCUMC Knee Symposium ( Management of Early Osteoarthritis of Knee )に膝グループのIn教授より招待され、招待講演を行ったのがきっかけです。講演の中で、我々秋田大学整形外科裸参り部を紹介したところ、In教授が「うちの若手を鍛えてやってくれ」とお願いされたという経緯がありました。

Dr Kim Dong-wookはサンフランシスコ生まれで、独身、専門は膝、将来は教授を目指しているということでした。彼は、赤川学先生が東北整形災害外科学会のtravelling fellowでCUMCを訪問した際によく面倒を見てくれた優秀で心優しい男です。学先生が、相当activeに活躍したらしく、秋田大学整形外科に非常に興味を持ってくれておりました。もう一人のDr. Kim Man-sooは26歳と若いながらすでに2人の子供がおり、まだ一般整形の研修中ということでしたが、 来年から3年の徴兵があるということで、非常に素晴らしい腕立て伏せを披露してくれました。お2人に先生には、我々がドイツのLobenhoffer教授から取り入れた膝周囲骨切り術のコンセプトから、タニケットなしでのボーンソーで骨切りする技術の一端を手術現場での実践や豊富な手術ビデオを見せながら示すことができました。中でも、脛骨顆外反骨切り術(TCVO)やhybrid CWHTOなど、日本独自の骨切り術については、我々の豊富な経験のみならず、公男先生による動作解析に関するプレゼンも交え、伝えることができたと思っております。また、人口密度が低く、面積が大きい秋田という独特の環境で、高い医療レベルを供給している秋田大学整形外科のあり方を体験してもらい、「unbelievable!」といって非常に感動しているようでした。

1月15日には、由利本荘市で江戸時代から歴史のある「新山神社裸まいり」に参加しました。日本の文化を理解する上で、ここの参加はマスト事項でした。彼らは、島田洋一教授の再三のジャストルッキングの強い勧めも断り、「We want to be naked!」といって、参加への強い意思表示をしてきました。たまたま裸まいりの同じ町内に韓国人2名参加していたということと、参加しなくては、In教授に顔向けできないということもあったと思います。我々は、迷いの吹っ切れた彼らを、秋田大学整形外科裸まいり部(秋田ノーザンネーキッズ)の一員に迎え、マイナス7℃の中、気持ちを一つに新山神社への御神体一丸となり本願成就を祈念することができました。彼らの成功体験は、今後、韓国整形外科学会で広く語り継がれることでしょう。『Dr Kim & Kim, You made it!』

彼らの帰国後、CUMCでは、秋田大学からfellowをいつでも受け入れくれるというIn教授からの御礼のメールを頂きました。我々の交流が、今後、日韓友好の一つの架け橋になることを希望し、ご報告とさせていただきます。

この度、お二人を迎えるにあたり、多大なご協力を頂きました医局の先生方、秘書さん、関連病院の先生方に心より深謝申し上げます。

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第8回東北MISt研究会(木村竜太)

第8回東北MISt研究会がH29年1月29日に仙台市で開催されました。前日の東北脊椎外科研究会に続き、本研究会では、「低侵襲」脊椎手術について熱い議論が交わされました。

側臥位での経皮的椎弓根スクリュー(PPS)刺入方法や、胸腔鏡を併用した固定術など全国から興味深い取り組みが報告されました。秋田からは水谷嵩先生が「精神疾患のある化膿性脊椎炎に経皮的S2 alar iliac screwを用いてMIS fixationを行った1例」を発表されました。

PPSを使用した固定術は、外傷、感染や転移性脊椎腫瘍、さらに変性疾患に対しても有用性が周知されており、今後さらなる高齢化社会において、必要性は増してくると考えられます。秋田県内でも低侵襲の脊椎手術で、患者さんにも、医療者にも優しい脊椎手術を行えるよう引き続き研鑽を積んでまいります。

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第29回日本整形外科学会専門医試験(河野哲也)

2017年1月19、20日と神戸ポートピアホテルにて、第29回日本整形外科学会専門医試験がありました。このようなOfficialな試験は、医師国家試験以来となります。9月頃から始めた「専門医試験Q&A」、、、1ページ目から立ちはだかる基礎問題に見るも無残に出鼻をくじかれ、果たしていつか解けるようになるのだろうか? という大きな不安を抱きながら日々を過ごしておりました。

しかし、島田洋一教授より毎日のように叱咤激励をいただき、医局先生方には業務の合間を縫って試験対策をしていただくなど、手厚いサポートの中試験準備ができました。実際の試験では、日々のカンファレンスや羊ヶ丘病院での経験も大変参考となりました。

合否発表は2月末の予定ですのでまだまだ安心はできませんが、今回身につけた知識をこれからの診療に活かしていきたいと思います。

この場を借りまして、ご指導いただきました先生方に心より感謝申し上げます。

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Rehabilitation Year Topic Seminar 2016(木村竜太)

H28年12月18日、秋田県リハビリテーション研究会主催のRehabilitation Year Topic Seminar 2016が「秋田のリハビリ 新展開」と題して開催されました。

休日ながら、全県から医師、理学療法士、作業療法士、義肢装具士、エンジニアなどリハビリに関わる多職種、計180人の方に参加いただきました。

はじめに島田洋一教授から本企画の趣旨として、短時間で濃厚な学習が得られること、そして秋田県のリハビリテーションにおいて、職種間の横の繋がりを強化していくことを述べられました。

以下、プログラムに沿ってご講演の概略を記載します。

脳卒中リハ:大湯温泉リハビリテーション病院院長 小笠原真澄先生

ガイドライン、そしてニューロリハとしてCI療法、HANDS療法、促通反復療法について説明いただきました。ただ超高齢化する脳卒中リハ患者において、有用とされるニューロリハも、現実問題として適応にならない方がいらっしゃいます。大湯の回復期病棟は平均年齢78.6歳と全国平均を上回っていますが、その中で改めて心機能・運動機能・口腔摂食機能・社会資源評価を行う重要性をお話しいただきました。

がんリハ:市立秋田総合病院理学療法士 高橋仁美先生

ADL維持向上等体制加算が増えるなど、予防の重要性が注目されています。術前、術後早期からの介入により術後合併症を予防できること、ガイドラインで既に大腸がん、乳がんの抑制効果が認められていること、その他疾患でもグレードAとされるリハビリが多くあること、そしてmyokinesの可能性を学びました。運動器の専門家として整形外科医は、骨軟部腫瘍だけでなく、がんリハの中でも重要な存在となってくるのではないかと感じました。

呼吸器リハ:市立秋田総合病院理学療法士 菅原慶勇先生

COPDやIPにおいてエビデンスが確立された呼吸器リハですが、ADL低下が生命予後不良の最大の指標とされています。そこに歩数計を持ってもらうという、シンプルなフィードバックがさらに効果を上げるという研究結果を交えご説明いただきました。またサルコペニアやmyokinesの関連性も指摘され、さらなる発展性がある分野です。

スポーツリハ:秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科 斉藤公男先生

アスレティックリハについてJBJSのWhat’s new、加圧トレーニングの高齢者への応用や、Functional trainingとWhole Body Vibrationの可能性を説明いただきました。そしてメディカルリハからアスレティックリハへの橋渡しにおいて、我々医療者が今後より活躍すべき、とリハビリ関係者の連携強化をお話しいただきました。

脊髄損傷リハ:秋田大学整形外科 工藤大輔先生

今年発表されたreviewを中心に24時間以内の除圧術の有効性(OR=1.66)や、呼吸障害に対する腹腔鏡下横隔膜筋内刺激、痛みの治療に対してはrTMSやSCSの効果を説明いただきました。高齢化に伴い、脊柱管狭窄を伴った軽微外傷からの脊損が増えていますが、秋田大学ではこのような最新の治療にも積極的に取り組んでいます。

また今後の治療、リハビリの可能性として、FES、BCI、細胞移植・薬剤による再生治療を説明いただきました。特に札幌医大で取り組まれている自家骨髄間葉系幹細胞移植は、ニプロ大館工場で製造予定であり、秋田の中で治療を行える日がもうすぐという希望を感じました。

ロボットリハ:秋田大学医学部附属病院リハビリテーション科 松永俊樹先生

現在使用されているリハビリロボットの多くを紹介いただきましたが、より進んでいる軍事ロボット、介護や重労働のロボットから今後のさらなる可能性を示唆いただきました。

また当大学で取り組んでいるロボットリハ研究を発表されました。ぜひ秋田県をあげて高齢社会におけるリハビリロボットのあり方を追求していきたいと思います。

今後定期開催予定の本会ですが、先生方の講演はとても熱気があり、参加者の方も集中して学ばれていました。これを機に秋田県のリハビリがさらなる盛り上がりを見せること間違いなしと確信しました。

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第7回秋田県足の外科・創外固定研究会(高橋靖博)

平成28年12月3日秋田ビューホテルにて第7回秋田県足の外科・創外固定研究会が開催されました。

一般演題では、村田先生・柴田先生・佐藤先生・河野先生・阿部先生・千田先生・高橋が発表しました。イリザロフで手術した症例、エコーガイド下ブロック、足部RA疾患、アキレス腱断裂といった、難渋した外傷・変性疾患・稀な疾患など様々な症例を報告して頂きました。私は現在勤務している秋田医療療育センターの症例をまとめ「最近3年間の乳幼児期における足部変形の経験」という演題で発表してきました。幸いなことに私が最優秀演題賞を受賞しました。発表のご指導していただいた坂本センター長をはじめ、三澤先生・石原先生・遠藤先生にはこの場を借りて御礼を申し上げます。

ミニレクチャーでは平鹿総合病院の千田先生が足部・足関節の鏡視下手術について講演していただきました。特にAnterocentral portalの有用性を中心に発表していただきました。これまで足関節鏡の手術を経験することが少なかったので、今回得た知識を今後の手術に生かしていきたいと思いました。

特別講演1では関東労災病院の整形外科部長である岡崎裕司先生が「イリザロフ法の合併症と感染対策」というタイトルで御講演していただきました。イリザロフの歴史から始まり、Pin site infectionなどといった様々な内容を1時間という限られた時間の中で発表してくださいました。秋田大学整形外科ではイリザロフ手術を多数施行しており、私たちは入院・外来でイリザロフ手術を施行された患者さんを診療する機会が多いので、本当に明日からの診療に役立つ内容でした。

特別講演2では奈良県総合医療センターの佐本憲宏先生が「足関節・足部のスポーツ障害と外傷」というタイトルで御講演していただきました。スポーツ障害患者に対する靭帯再建や関節鏡など、足の外科のメッカである奈良県で行われている最先端の治療を紹介していただきました。

本研究会では4時間で7題の一般演題、ミニレクチャー、2題の特別講演と非常に濃密で多岐にわたり、かつ刺激的で勉強になる有意義な学会となりました。明日からの診療に生かしていきたいと思います。

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第6回こまちリウマチセミナー(湯浅悠介)

平成28年12月8日に第6回こまちリウマチセミナーが開催されました。平日にも関わらず、多数のご参加をいただきました。

今回は特別講演ⅠとⅡに分かれ、4人の先生方にご講演いただきました。特別講演Ⅰの一人目は市立秋田総合病院整形外科科長の柏倉剛先生から「RAにおける手術療法の進歩」と題してご講演いただきました。RAは治療薬剤だけでなく手術療法も、日々進歩していることを実感いたしました。いかに早期にRAを診断・治療し、手術もよりよい機能を獲得できる方法を選択することが大切であると感じました。

そして、二人目として秋田大学大学院整形外科学講座の宮腰尚久准教授から「RAにおける骨粗鬆症治療のアップデート」と題してご講演いただきました。滑膜炎や不動、ステロイドの使用などにより骨粗鬆症が進むRAにとって、骨粗鬆症治療は欠かせません。今回、ステロイド性骨粗鬆症の恐ろしさを再確認し、今後は患者さんに骨粗鬆症治療の重要性をより一層伝えていかなければと思いました。また、抗RANKL抗体がRAに対して極めて大切な役割をしていることをわかりやすく御提示いただきました。日々の臨床に生かし、治療にあたりたいと思います。

特別講演Ⅱの一人目は北海道内科リウマチ科病院、理事長・院長の谷村一秀先生から「臨床における関節エコー検査の重要性」と題してご講演いただきました。現在、RAを診断する上でも病勢を評価する上でも、エコーは必須のツールといえます。RAの滑膜炎と他の関節周囲炎とのエコーでの鑑別方法を実際の映像をご提示いただきながら、とても分かりやすく説明いただきました。また、「エコー寛解」という概念を教えていただき、我々も同じゴールを目指して治療していこうと決意を新たに致しました。

そして特別講演Ⅱの二人目としてNTT東日本札幌病院院長の小池隆夫先生から「バイオとその後」と題してご講演いただきました。RA治療薬の歴史から始まり、バイオシミラーまで多くの内容を非常にわかりやすくご提示いただきました。また、日本の医療だからできるtight controlがRA治療に大切であり、我々はそのことをもっと自覚しなければならないと感じました。

最新の知識を多く吸収することができ、非常に有意義な会となりました。今回学んだことを明日からの診療に役立て、RAで苦しむ患者さんを一人でも減らせるように努めていきたいと思います。