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第50回日本股関節学会(阿部寛道)

2023年10月27〜28日に第50回日本股関節学会がヒルトン福岡シーホークで開催されました。Akita Hip Research Group (AHRG)からは8演題発表がありました。

学会に先立ち、10月26日に教育研修セミナーベーシックコースが開催され、市立秋田総合病院 藤井昌先生が講師の1人としてご講演されました。とても勉強になる内容でしたし、大御所の先生方の中でご活躍する藤井先生の姿に非常に感銘を受けました。

AHRGの先生方の演題を中心に、自分が興味のある一般演題も回りましたが、各病院で行われている最先端の研究を知ることができ、刺激を受けたと同時に、股関節分野の奥深さも再確認しました。来年は自分も演題を出せるように臨床と並行し研究も進めていければと思います。

今回はなんと、大曲厚生医療センター研修医1年目の西澤実柚先生が学会に参加いただきました!整形外科、中でも股関節分野に興味があるとのことで、日々積極的に勧誘いただいている岩本陽輔先生はじめ、大曲厚生医療センター整形外科の先生方には感謝申し上げます。10月27日の夜にはAHRG大同門会が開催され、西澤先生にも参加いただき、とても楽しい福岡の夜を過ごしました。学会期間中を通じて、もつ鍋や水炊き、海鮮料理といった美味しい博多料理を堪能でき、満足しております。

最後になりますが、日々ご指導頂いております宮腰尚久教授はじめ、不在期間中に業務を代行して下さいました先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第48回日本足の外科学会学術集会(富永健太)

2023年10月26〜27日に大阪市のグランフロント大阪で大阪医科薬科大学の安田稔人会長のもと第48回日本足の外科学会学術集会が開催されました。

当教室からは柏倉剛先生、野坂光司准教授、千田秀一先生、青沼宏先生、平鹿総合病院の理学療法士の佐藤さん、そして私で参加して参りました。

会長講演は『これからのアキレス腱断裂診療―アスリートの早期スポーツ復帰のために―』というテーマでご講演いただきました。Foot&AnkleとSportsを志している自分にとってはとても刺激的で勉強になる内容でした。

その他にも足の外科関連の様々な最先端の内容に触れることができ有意義な2日間を過ごせました。

自分は秋田県の足根骨癒合症についての調査を発表させていただきました。獨協医科大学埼玉医療センターの前教授である大関先生から「こういう疫学的な調査は極めて大切です。引き続き頑張ってください。」といった温かいお言葉をいただきました。発表だけで終わることなくしっかりと論文化いたします。

また学会前夜には獨協医科大学、佐賀大学、島根大学、埼玉医科大学の同年代の先生方と懇親会をさせていただき親交を深めることができました。全体懇親会では早稲田大学スポーツ科学学術院の熊井司先生をはじめ各大学の先生方にご挨拶させていただくことができました。柏倉先生、野坂先生、千田先生がこれまで対外的にご活躍されてきたことで他大学の先生方との繋がりがあり交流することができました。今後自分もこの流れを絶やすことなく継続していければと思います。 最後にいつもご指導頂いております宮腰尚久教授をはじめAFG/AIMGメンバーの先生方、不在の期間に業務を代行して下さった先生方に感謝申し上げます。

第38回日本整形外科学会基礎学術集会(佐藤貴洋)

2023年10月19日,20日の2日間にわたり,日本の学術都市つくばで第38回日本整形外科学会基礎学術集会が開催されました.本学会は,基礎医学研究の演題を中心とした学会で,各大学の大学院生が多数発表をしていました.秋田大学の大学院生からは,五十嵐先生,笠間先生,原田先生,岡本先生,そして私が参加し発表しました.

私は「Akita Trainer」の演題で本学会に参加しました.筑波大学はリハビリテーションロボット「HAL」の先駆けとして知られており,私のセッションでもHALに関する演題が2つありました.これら2つの演題は,小児への使用経験についてのものでした.解析方法として,コンピュータを使用した歩行動作解析が取り入れられており,その高度な内容に感銘を受けました.

A-BONEの五十嵐先生,笠間先生,原田先生,岡本先生は,骨粗鬆症やサルコペニアに対して動物実験を用いた基礎医学らしい演題で発表されておりました.骨粗鬆症の権威である宮腰教授のもとでの研究でもあり,非常に質の高い発表でした.

今回の学会では実はもう一つ特別なイベントがありました.先日行われた日独Web conferenceにも参加されていたFrancis Kilian先生が今回の学会のために来日されておりました.秋田労災の奥山先生のお導きもあり,内輪だけのKilian先生との交流会,Clinical conferenceが行われました.秋田大学からは粕川先生と岡本先生がプレゼンテーションを行い,Kilian先生からも翌日講演予定の内容の一部をプレゼンテーションして頂きました.聞き取りやすいゆっくりとした英語で,日本とドイツでの治療における考え方の違いをより近い距離感で教えて頂きました.Kilian先生の病院は,世界中の留学生を受け入れているとのことで,今回の経験が秋田大学の海外留学の一助となることを期待しています.特に岡本先生には第1号として活躍してほしいと思っています.

今回の学会は色々な意味で新鮮なことばかりでした.本学会は大学院生ならではの会だと思うので,現在大学院生の方やこれから大学院生になる方も是非積極的に参加・発表していきましょう.

第25回日本骨粗鬆症学会(尾野祐一)

2023年9月29日~10月1日に名古屋国際会議場で開催された第25回日本骨粗鬆症学会に参加しました。整形外科医だけでなく、内科、放射線科、産婦人科、リハビリテーション科に加え、コメディカルスタッフも多く参加しており、どの会場も多くの聴講者がいました。ランチョンセミナーでは早々に整理券が売り切れ、昼前には長蛇の列ができているのが印象的でした(私は整理券をゲットできず、会場に入れませんでしたので、仕方なく学会周辺で“ひつまぶし”を堪能(^^)/)。

秋田からも多くの参加者がおり、宮腰教授、本郷教授、粕川准教授、野坂准教授、田村先生、土江先生、木下先生、赤川先生、長幡先生、私が演題を発表しました。同門グループの堀川先生は静岡から参加されていました。

今回の学会では、優秀演題賞を土江先生が受賞されました。演題名は「非定型大腿骨骨折発症後の完全骨折再燃に影響する要因の検討」で、土江先生が長年、多施設でのデータをまとめた研究です。一つの研究テーマから、次々と新しい研究結果を生み出していく土江先生には尊敬の念が尽きません!土江先生、おめでとうございます!

また、本学会には秋田県のOLS/FLSチームのメンバーも多数参加しており、夜には市立秋田総合病院、由利組合総合病院、大曲厚生医療センターのスタッフ間での交流会が行われたようです。秋田県全体に骨粗鬆症・骨折リエゾンサービスを普及していく“All Akita Associationプロジェクト”の成功には、各病院間の交流はとても重要です。本学会をきっかけに、今後の秋田でのOLS/FLS活動のさらなる発展を願っております。

第33回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会(若林玲奈)

2023年9月30日~10月1日に岩手県盛岡市のアートホテル盛岡で開催されたリウマチ地方会につきましてご報告させていただきます。秋田からは5つの演題が発表されました。すべてが一般演題「関節リウマチⅡ(外科)」の同セッションにまとめられ、このセッションはほぼ秋田の独壇場でした。杉村先生の単関節炎とRAの関連のご発表に始まり、小林先生の後期高齢者のMTX使用について、櫻場先生の生物学的製剤の検討、最後2題は連続で柏倉先生のリウマチ足に関する新しい知見のお話でした。沢山の質疑応答で活発なご発表でした。特に柏倉先生のご発表はご自身の似顔絵?(現在本格的なものを作成中とのことです)を交えたユーモラスなスライドを2題の最後に立て続けにご提示され、リウマチ足とロコモ/リウマチ外反母趾の全く新しい見方、という大変印象的な内容とともに、ご聴講の皆様の心に残るものとなったと存じます。

現地とオンラインのハイブリット開催の学会がまだ散見される中、この度はAORAメンバーの皆様にお誘いいただき現地へ赴きましたが、やはりPC前に座ってWebで拝聴するよりも、現地で参加したほうがしっかりと集中して勉強をできることを再認識できた会でした。また、集合写真に写られておりますように、ほかの病院から参加されていたコメディカルの方とご挨拶ができたことも、大きな成果でした。リウマチチーム医療として役を担ってくださっている、看護師、薬剤師、MSWの方々でした。チームへのリクルートのされ方、された時の気持ち、専門資格の取得や継続の大変さ、実際の仕事内容などを直接聞くことができ、問題点も浮かんできました。湖東病院でもぜひチームを作れたらと思い、参考にさせて頂きたいと思います。

最後に、日々ご指導頂いております宮腰尚久教授はじめAORAメンバーの先生方、不在の期間に業務を代行して下さいました先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第72回東日本整形災害外科学会/学術奨励賞受賞報告(佐藤貴洋)

長かった夏も終わり,秋が徐々に深まっている今日この頃,9月22日・23日に北海道旭川市にて東日本整形災害外科学会が開催されました.旭川に到着してすぐに本州とは違う「寒さ」を感じました.

今回私が発表するセッションは,第71回学術奨励賞受賞者講演と若手優秀演題アウォードセッション(上肢)でした.前者は前回発表演題のうち,座長(野坂先生)が選出した演題を論文化し学会誌へ投稿,学会誌に収載された論文の中から選出されます.今回私の論文をこの素晴らしい賞に選出頂きました.日々ご指導頂いている宮腰教授,野坂先生,その他多くの先生方にこの場を借りて深謝致します.

実は,若手優秀演題アウォードと合わせてダブル受賞を狙っていたのですが,流石にそれには叶いませんでした.今回自分のセッションで受賞された先生は,由利組合総合病院で研修をされた斉藤徹先生でした.演題は「Fat pad signの初期研修医における診断精度の検討」と由利組での研修時代の内容をご発表されておりました.今後より多くの研修医を整形外科ローテーションに誘う非常に興味深い内容でした.斉藤先生およびご指導された由利組の先生方各位大変おめでとうございます.

私には今学会でもう一つ仕事がありました.それは,9連覇を狙う駅伝大会です.もともと私は補欠でしたが,急遽竹島先生が諸事情で来られなくなり,レギュラーとして参加になりました.常勝軍団の中に補欠参加でしたので非常に不安な気持ちがありましたが,主務の大屋先生,キャプテンの長幡先生,エースの佐々木研先生が温かく迎え入れて下さいました.唯一の3km区間を走らせて頂きました.ライバル千葉大学のランナーは大鳥教授でした.3位秋田大学,4位千葉大学で3km区間第3走者に襷が渡されました.大鳥先生にタイムでは敵いませんでしたが,前走者が作ってくれたアドバンテージのおかげで3位のまま襷を第4走者佐々木研先生に繋げることができました.レースの結果はというと,第2走者の時田先生が全区間区間賞という快走をみせてくれたものの,各校のレベルも非常に高く,2位と一歩及びませんでした.大鳥教授率いる千葉大学が悲願の優勝を果たしました.今回千葉大学に負けてはしまったものの,抜いては抜かれを繰り返し,最終的には2位という最後までハラハラドキドキの面白いレースとなりました.朝早くから応援に来てくださった宮腰教授,本郷教授,野坂先生,本当にありがとうございました.

本学会は同期の岡本先生,大屋先生と参加できた初めての学会でした.それぞれ発表もあり,駅伝もありと同期の絆を深められる非常に有意義な学会になったと思います.大学で一緒に過ごせる期間が徐々に少なくなってきておりますが,1日1日を大事にして今後も診療・研究を一緒に頑張っていきたいと思います.

第11回Japan Association of Spine surgeons with Ambition(JASA) (岡本憲人)

8月5-6日に京都市のリーガロイヤルホテル京都で開催された第11回Japan Association of Spine surgeons with Ambition(JASA)に、工藤大輔先生、尾野祐一先生、岡本の3名が参加して参りました。

本学会は50歳以下の「Ambition」を持った脊椎外科医が激論を交わす、非常にユニークな会です。本会の醍醐味はDiscussionにあり、シンポジウム形式で4〜5名の演者が発表し終えると、会場に準備されたマイクに大人数の質問者が列を作り、五月雨のように質問をぶつけまくる、初めて参加した私にとっては少し異様な光景でした。

秋田大学からは尾野祐一先生が「神経症状を呈した骨粗鬆症性椎体骨折に対する前方支柱再建術〜前後合併手術と後方単独手術の比較〜」という演題名でご発表されました。前方手術と秋田大学が得意とするPAVRECを比較した、秋田大学らしい演題で、フロアからも尾野先生へ多くの質問が飛び交っていました。

特別講演では当番世話人である海渡貴司先生の恩師である、米延策雄先生と山本利美雄先生から、脊椎外科医としての歩みやPLIFの始まり、そして今日に至るまでの歴史についてお話を伺いました。非常に興味深く拝聴致しました。

2日目にはメーカーセッションも設けられ、非常に斬新な印象を受けました。

若輩者の私にとって、本会は刺激を受けるには十分すぎました。Ambitionを持って脊椎外科の発展に貢献できるよう精進したいと思います。


第41回日本骨代謝学会学術集会(岡本憲人)

7月27日から29日に第41回日本骨代謝学会学術集会が開催されました。

会場は東京都の都市センターホテルでした。連日報道されている通り、災害級の暑さであり、あまりの暑さに蜃気楼が見えるかと思いました。

当教室からは宮腰教授、粕川准教授、大屋先生と岡本が参加致しました。

現地で合流した大屋先生は、冷感マスク、冷感タオルにサングラスと暑さ対策万全の状態で登場され、大屋先生の石橋を叩いて渡る慎重な性格が遺憾無く発揮されておりました。

大屋先生は一般口演で「腎癌局所骨転移モデルに対するアクリジンオレンジとゾレドロン酸の効果」について発表されました。本学会は基礎系の先生からの発表も多い中、大屋先生の発表に対してはたくさんの質問が飛び交い、さらに大屋先生の回答も非常に流暢であり、同僚ながら感服致しました。また、宮腰教授からも大絶賛をいただいておりました。流石です!

粕川准教授と岡本はポスターでの発表でした。岡本は「アデニン誘発性慢性腎臓病モデルラットにおける骨格筋萎縮の特徴」について発表させていただきました。基礎の先生から内容について質問いただき、改めて考えさせられるところが多くありました。今後に生かしていきたいと思います。

学会の合間にはささやかですが、会場近くの居酒屋で同門会を開催し、みんなで食事を楽しみました。今回のお店は、昼は蕎麦屋、夜は蕎麦居酒屋という形態のお店でしたが、宮腰教授は蕎麦がお好きとのことで、蕎麦談義に花を咲かせながら江戸の蕎麦を堪能いたしました。

来年は沖縄開催とのことです。基礎と臨床を両立できるように来年も演題採択を目指して頑張りたいと思います。

第49回日本骨折治療学会学術集会(三田基樹)

2023/6/29から7/1まで静岡で第49回日本骨折治療学会学術集会が開催されましたのでご報告いたします。当教室からは、ハンズオンセミナー講師やPilon骨折のシンポジストを担当されていました野坂光司准教授を筆頭に、岩本洋輔先生・長幡樹先生・湯浅悠介先生・笠間史仁先生・阿部寛道先生・中西真奈美先生・森下耀先生・長岡佑樹先生・東條元旗先生と私三田基樹で参加して参りました。

本学会はあらゆる骨折に対する最新のディスカッションが繰り広げられるため、骨折治療に関する知識のアップデートが出来る最高の学会です。

「Pilon骨折のアプローチやplatingの考え方」「脛骨高原骨折後外側骨片の視認・整復方法」「踵骨骨折の基本からインプラント選択」「寛骨臼骨折前方アプローチの特徴とピトフォール」「脆弱性骨盤輪骨折の固定理論」「不安定型骨盤輪骨折の不安定性評価と固定の考え方」など、近年のトピックスがふんだんに盛り込まれておりました。私自身日々の疑問を解決出来て、とても有意義な時間を過ごさせて頂きました。

そして今回特筆すべきは、整形外科を考えてくれている研修医の先生が3人も参加してくれた事だと思います。中通総合病院から間杉健輔先生・小紫友也先生、由利組合総合病院から白崎陽一先生が参加して下さいました。皆さん非常に熱意あふれており、人柄も素晴らしく、是非将来一緒に働きたい先生方でした。アテンドして下さいました長幡樹先生・湯浅悠介先生・笠間史仁先生初め、日々研修医や学生の勧誘を頂いております皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

私自身は若手セッション「真剣勝負!?骨折プロレス」に登壇し、幸い会長特別賞を頂く事が出来ました。このセッションは転子下骨折や開放骨折のエビデンスに基づいた治療理論を、寸劇のように面白おかしく、でも真面目に議論するものでした。貴重な機会を頂けた事、そしてこのセッションを通じで貴重な出会いに恵まれた事を心より嬉しく思います。これからも日々知識をアップデートし、秋田県の外傷治療に貢献して参りたいと思います。

最後になりますが、日々ご指導頂いております宮腰尚久教授はじめ、不在の期間に業務を代行して下さいました先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第56回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会(笠間史仁)

2023年7月13~14日に第56回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会が新宿で開催され、当教室からは永澤講師、土江講師、雄勝中央病院の村田先生、笠間が参加しました。会場は新宿駅から地下道で直通の京王プラザホテルでアクセス抜群でしたが、気温30度超えで地下道は蒸し暑く、一足早く夏を感じました(秋田県民にとっては暑すぎました)。

私は本学会に初めて参加させていただきましたが、骨軟部腫瘍診療の難しさを少し垣間見ることができました。発表に対する討議は全体的に温かいご指導が多いと感じ、若手でも発表がしやすい学会のように感じました。また脊椎転移に関する講演を中心に拝聴いたしましたが、腫瘍整形外科医目線からの発表は脊椎関連学会の発表とは少し異なる印象を持ち、私にとって非常に刺激になる学会でした。

本学会で学んだことを日常診療に活かし精進したいと思います。